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日本橋女学館、女子校最後のひな祭り-流しびなに110年の思い託す

それぞれの願いを託し、屋形船から「流しびな」を流す

それぞれの願いを託し、屋形船から「流しびな」を流す

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 日本橋女学館(中央区日本橋馬喰町2、03-3662-2507)で2月28日、恒例の「流しびな」が行われた。

クラス全員で作った「流しびな」に願いを託し、屋形船から神田川に流す

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 「流しびな」は子どもの厄災をわらや紙で作った人形に託し、川や海に流すひな祭りの風習。現在も民俗行事として全国各地で受け継がれている。20年以上続く春の風物詩として地元にも親しまれる同校の「流しびな」、今年は16組のひな人形が流され、神田川浅草橋周辺は通行人や写真愛好家など多くの見物客でにぎわった。

 同校は、1905年に日本橋の老舗や実業家らが子女の高等教育の場として設立。日本文化の伝承や地元企業らと連携した体験型授業「にほんばし学」など独自のカリキュラムも行っており、浅草や銀座に先駆けて「ひな市」がたった江戸のひな祭りと縁のある地域であることから、同行事を実施している。

 神田川の同校脇につけた屋形船に中学・高校各クラスの代表が乗り込み、生徒らが製作したえとの未(ひつじ)などをあしらった「ひな人形」を、それぞれの願いを書いた紙とともに川に流した。「たくさんの方々が見守る中、天候にも恵まれ、人形がよく流れたので、子どもたちがとても喜んでいた」と同校教諭の齋藤友季子さん。流した「ひな人形」は、川下で待つ若手教員らが環境に配慮してすみやかに回収した。

 110年の歴史を持つ同女学館、4月から中高一貫の共学校「開智日本橋学園中学校」・「日本橋女学館高等学校」として、新たなスタートを切る。

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