10月28日にオープンしたコレド室町(中央区日本橋室町2)とユイト(同)に通じる地下歩道が、10月25日・28日にそれぞれ開通した。
今回整備されたのは、東京メトロ三越前駅とJR総武線新日本橋駅をつなぐ日本橋地下歩道330メートル区間のうち、コレド室町(室町東三井ビルディング)前43メートル区間とユイト(日本橋室町野村ビル)前46メートル区間。長く閉鎖中だったA6、A9出口が開通し、従来の地下歩道と両施設が地下でつながったことに加え、歩道の幅員も約5メートル拡張され歩行空間が広がった。
2区間の開通により、三越前駅や新日本橋駅から地下歩道経由でコレド室町とユイトを直接訪れることができるようになった。さらに、日本橋三越本店や日本橋三井タワーなどの既存の商業施設とも地下歩道でつながり、商業施設間の往来がこれまで以上にスムーズになる。
今回の地下歩道拡張は、国土交通省東京国道事務所が2002年から進める「日本橋地区都市再生事業」の一環。同地区を走る国道4号(中央通り)の地下歩道空間の有効活用による、地下鉄駅との連続性確保や歩行者空間ネットワークの創出が目的。同事務所では民間の沿道施設と一体となった地下歩道整備を進めており、これまでにも、2004年のコレド日本橋や日本橋三越本店新館、2005年の日本橋三井タワーなど民間商業施設の開業に合わせ地下空間の整備を行ってきた。
「新たな商業施設が相次いでオープンしたことで日本橋の人の流れが変わる。今回の地下歩道開通で、雨の日に三越で買い物をした後に地下歩道を通ってコレドやユイトで食事をする、といった新たな流れができるのでは」と東京国道事務所工務第一課の小櫃(おびつ)基住課長。同事務所の後藤勝志副所長は「このところ六本木や丸の内などに人が流れてしまい、土日に日本橋にでかける人が減った印象があった。今回新たな商業施設ができたことをきっかけに、若い人たちにもたくさん訪れてもらい、三越前の地下コンコースに設置されている江戸絵巻のようなにぎわいのある街並みになってくれれば」と期待を寄せる。
同事務所では、今回の2区間に隣接する約100メートルの区間についても年内に着工し、2013年度までに整備する予定。