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東京駅構内で「虫グルメフェス」 昆虫食と食育イベントで「虫のおいしさ」発信

生の冷凍昆虫食材を扱う昆虫食材専門店「はまる食品」(長崎県佐世保市)は親子で出店

生の冷凍昆虫食材を扱う昆虫食材専門店「はまる食品」(長崎県佐世保市)は親子で出店

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 さまざまな昆虫食が楽しめる「虫グルメフェス Vol.0」が11月26日、東京駅構内イベントスペース「スクエア ゼロ」(千代田区丸の内1)で始まった。主催はサニーサイドアップ(渋谷区)。

東京駅構内で「虫グルメフェス」 昆虫食と食育イベントで「虫のおいしさ」発信

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 昆虫食の魅力を発信し「insect cuisine(インセクト キュイジーヌ)」という新しい食カテゴリーの確立を目指す「虫グルメフェス実行委員会」を設立した同社が初めて開催する同イベント。会場には通勤帰りのサラリーマンやOLなどが立ち寄り、各ブースで販売中の昆虫食やドリンク類を興味津々にのぞいていた。

 同社によれば、昆虫食は食肉生産に代わる「未来のタンパク源」として注目を集めており、高タンパクで良質な脂肪、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む栄養価の高いスーパーフード。メタンガスなどの温室効果ガスの発生も少なく、狭い土地と少量の水で飼育が可能であることから「持続可能的な食材」として近年話題になることも増えたが、一般家庭での利用はまだまだハードルが高いという。

 同イベントの特別アドバイザーで昆虫料理研究家の内山昭一さんは、「日本で初めての昆虫食のイベント。私が本格的に昆虫を食べ始めて20年ほどになるが、2015年にEUが『新規食品(Novel Food)』に規定して以来、国内でも徐々に昆虫食ビジネスの機運が高まっている。今年10月に農林水産省が『フードテック官民協議会』で昆虫食ビジネス研究開発ワークショップを立ち上げたこともあり、昆虫食の食品市場への期待は今後高まっていくだろう」と昆虫食業界の今後を語る。

 会場で提供する昆虫食は、虫の姿形そのままのものもあれば、パウダー状でスナック菓子やコーヒーになっているものもあり「昆虫食ビギナー」にも配慮する。参加店は、渋谷パルコ地下で昆虫料理を提供する個性派酒場「鳥獣虫居酒屋 米とサーカス」(渋谷区)、昆虫食品の製造・販売を行う「昆虫食 TAKEO(たけお)」(台東区)、生の冷凍昆虫食材を扱う昆虫食材専門店「はまる食品」(長崎県佐世保市)、東京農業大学「うつせみテクノ」と高崎経済大学発ベンチャー「FUTURENAUT(フューチャーノート)」、「昆Tuber」のかずきさんの学生3人コラボショップ、食用コオロギパウダーを使った展開食材を販売する「BugMo(ばぐも)」(京都市上京区)の5店舗と、内山さん監修のオリジナルメニューを提供する「オフィシャルキッチン」。

 提供メニューは、「3種のハンバーグ食べ比べセット(コオロギ・鹿・牛豚)」(1,400円)、「サゴワームとオオスズメバチ幼虫のバターソテー」「コオロギとバッタの素揚げミックス」「はちのこおにぎりセット」(以上700円)など。ドリンクは、「虫薬膳酒(冬虫夏草/シアワーム) ソーダ割orストレート」「スズメバチレモンサワー」「コオロギビール」などのアルコール類、「蚕糞ティー(サンシャティー=カイコのフンのお茶)」といったソフトドリンク類(以上700円)を提供する。キャンディーやスナック菓子、チョコレートなど、テークアウトできるメニューや土産品も並ぶ。

 会場を訪れた女性客は「虫の姿焼きを食べるのかと思っていたが、インスタ映えするようなメニューも多く意外だった」「スズメバチの丸ごと揚げたのが一番おいしかった」など、初めて食べた昆虫食の味の感想を述べていた。

 会期中はトークセッションを開催し、食べるだけではなく学びの場も提供。ゲストスピーカーとして、「昆Tuber」のかずきさん、昆虫食愛好家でタレントの井上咲楽(さくら)さん、虫食いライターのムシモアゼルギリコさん、文筆家の木谷美咲さんらが登壇を予定する。

 「会場にはさまざまな昆虫食がある。『昆虫食=イナゴのつくだ煮』というイメージを刷新して、今日を機に昆虫のおいしさ、楽しさを発見してもらえれば」と内山さん。「駅構内ということで、少しでも興味を持った皆さんに立ち止まっていただけたら」とも。

 営業時間は10時~19時(最終日は18時まで)。今月29日まで。

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