
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢話」の主人公・蔦屋重三郎について学ぶ「蔦重(つたじゅう)勉強会」が6月6日、日本橋の常盤小学校(中央区日本橋本石町4)体育館で開催された。主催は地元町会有志などで組織する「蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会」。
蔦屋重三郎が開業した地本問屋「耕書堂」が日本橋の通油町(現日本橋大伝馬町)にあったことから、地元町会有志が昨年7月に立ち上げた同勉強会。第5回となる今回は時代小説作家で江戸料理研究家の車浮代さんを講師に招き、「蔦屋重三郎と江戸の錦絵」と題して、浮世絵の成り立ちや歴史、刷りや色使いの技術的進化の過程を学んだ。
車さんは約35年前、浮世絵に魅せられて研究を始めたという。研究を進めるうちに蔦屋重三郎の存在を知り、その破天荒な生涯に興味を持ってこれまで9冊の蔦重関連書籍を刊行している。車さんはこの日、約1200人いたという浮世絵師の中で4大絵師といわれた東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重のうち、広重以外の3人を世に出した蔦屋重三郎が版元として残した業績などを紹介。会場には定員を超える約260人の聴衆が駆け付けて、車さんの話にに聞き入っていた。
「2014年に最初の蔦重本を出した時は、誰も蔦重のことを知らなかった」と車さん。「愛する蔦重が大河ドラマで全国区になり、うれしくてしかたない」と笑顔を見せる。江戸料理研究家としての顔を持つ車さんは「今週末の15日には江戸料理の試食会を行う。蔦重、北斎、歌麿が食べたであろう江戸料理を再現するので、興味のある人は食べに来てほしい」と話す。