
「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」が8月21日、日本橋髙島屋S.C.本館8階ホール(中央区日本橋2)で始まった。
リンドベリはスウェーデン生まれのデザイナーで、陶磁器を中心にテキスタイルや美術作品など幅広い分野で活動した。シラカバの葉をモチーフにした代表作「ベルサ」などヒット作を多く世に送り出している。日本でも百貨店の包装紙のデザインに採用されるなど高い人気を誇る。
1930年代後半にグスタフスベリ社でデザイナーとして活動を始め、晩年の1980年代初頭までに手がけた作品約300点を10章立てで紹介する同展。本人所蔵の品に加え、スティグ・リンドベリの長男のラーシュ・デュエホルム・リンドベリさんが収集した貴重作品が並ぶ。磁器や炻器(せっき)、錫釉(すずゆう)陶器などの素材を使った独自の作風を見ることができる。
耐熱性を持たせた「テルマ」シリーズは、調理した料理を器のままオーブンからテーブルに移せる機能性と美しさを兼ね備え、発売当時に高い人気を集めた。今回の展示でも、リンドベリが生活に寄り添いながらデザイン性を追求した姿を伝える。
第9章の「スティグ・リンドベリと日本」では日本との関わりを紹介する。リンドベリは1959(昭和34)年に来日し、日本の陶芸産地や主要都市を訪問。日本の陶芸家たちと交流し、伝統文化やデザインから大きな影響を受けた。1975(昭和50)年に発表した「プレゼント」シリーズは「天目釉(てんもくゆう)」を使った炻器(せっき)で、日本文化を反映した作品とされる。
髙島屋日本橋店企画宣伝部の花井宏演さんは「グスタフスベリ社の製品は広く知られているが、リンドベリの作品はそれ以外にも多くある。仕事で作った製品とともに、彼が本当に創りたかった表現を知っていただける機会にしてほしい」と話す。
物販コーナーでは、展覧会図録や関連グッズ、グスタフスベリ社製のリンドベリ食器を販売する。
開催時間は10時30分~19時(19時30分閉場、最終日9月7日は18時閉場)。入場料は、一般=1,200円(前売り1,000円)、大学・高校生=1,000円(同800円)、中学生以下無料。9月7日まで。