三井記念美術館(中央区日本橋室町2 TEL 03-5777-8600)で7月9日、特別展「日本美術にみる『橋』ものがたり-天橋立から日本橋まで」が始まった。
「日本橋」架橋100年を記念した同展。日本橋だけでなく、美術品に描かれデザインされた橋に視点を広げ、古来日本人が橋に対して抱いてきた思いや、橋がもつ文化的な意味を幅広い作品から考察する。総出品数は約120点。会期中、作品の展示替えを行う。
雪舟の作品「国宝 天橋立図」は、極楽浄土への往生を願う浄土教が盛んだった桃山時代に描かれた、この世とあの世の架け橋「聖俗境界の橋」。狩野探幽の作品「東照社縁起絵巻」(展示は8月7日まで)は、日光山を開いた勝道上人の前に架けられたという「龍橋」の伝承を基にする。展示を通し、それぞれの時代、日本人が橋をどのようなものとして捉えていたかを知ることができる。
絵画だけでなく、「志野茶碗 銘橋姫」「色絵柳橋図水指」など、橋を描いた工芸品や茶道具も展示。
江戸時代後期の日本の橋の長さを競った番付表「日本大橋尽番付」は同展ならではのユニークな作品。同作品の原寸大の写しを漢文の読み下し文と共にたとう紙に入れたレプリカをオリジナル品(400円)として販売する。
「日本橋かいわいは、これから日本橋架橋100年を記念したさまざまイベントで盛り上がりを見せる。作品自体に注目してもらうのはもちろん、街のイベントと展示を併せ、日本橋の全てを楽しんでもらえれば」と同館広報事務局の富樫純子さん。
営業時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は、一般=1,200円、大学・高校=700円、中学生以下無料。9月4日まで。