蛎殻町の「ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション」(中央区日本橋蛎殻町1)で5月29日、銅版画家・浜口陽三の詩画集についての話と読み聞かせを中心とした親子向けイベントが開催された。
同館は1998年、ヤマサ醤油が倉庫を改装して開設した。山口陽三は、ヤマサ醤油10代目社長・濱口儀兵衛の三男。現在は、銅版画の魅力を紹介する企画展、イベント、版画教室なども開いている。
親子向けのイベントは初の試み。「一般から離れてしまった版画をどう引き戻すか」と考えていた同イベント実行委員で詩画集出品作家・山口啓介さんと渋谷和良さん、「版画の良さは生原稿に触れないと分からない」と話す同館学芸員の神林菜穂子さんが意気投合し、開催に踏み切った。
当日は、普段は展示会のケースに入っている版画作品を絵本に見立て、直木賞作家で「よい子に読み聞かせ隊」隊長の志茂田影樹さんが多くの家族連れを前に読み聞かせを行った。「版画を触れることはコミュニケーションの原点で、本当の本物が美術館にある。今回のイベントをきっかけに気軽に美術館に足を運んでほしい」と神林さん。
開館時間は11時~17時(土曜・日曜・祝日は10時から)。入館料は、大人=600円、大学・高校生=400円、小・中学生=200円。