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日本橋大伝馬町で合田佐和子「90度のまなざし」出版記念展 1周忌追悼兼ねて

朝日新聞連載小説「軽蔑」の挿絵を眼玉のドローイングだけで通して世間を驚かせた連作「眼」(1990~1991年)

朝日新聞連載小説「軽蔑」の挿絵を眼玉のドローイングだけで通して世間を驚かせた連作「眼」(1990~1991年)

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 大伝馬町のコンテンポラリーアートギャラリー「みうらじろうギャラリー」(中央区日本橋大伝馬町2、TEL 03-6661-7687)で現在、「合田佐和子『90度のまなざし』出版記念展」が開かれている。

マルチアーティストとして60年代以降、日本のアートシーンに大きな影響を与えた合田さん

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 昨年2月に他界した美術家、合田佐和子さんはマルチアーティストとして唐十郎主宰の劇団状況劇場・唐組や寺山修二主宰の天井桟敷の舞台美術・宣伝ポスターを手掛けるなど、60年代以降の日本のアートシーンを独自の表現活動でけん引してきた。

 その合田さんが幼少期の思い出や寺山修司・蜷川幸雄・四谷シモン・金子國義らについて書いたエッセー、書評、映画評など過去に雑誌などに掲載された文を集めて、コラージュ作家で次女の合田ノブヨさんらの協力で「90度のまなざし」として1月に出版した。

 今回の展示はその出版記念として企画されたもので、会場には代表作ロゼッタ・ギャラクシーシリーズや朝日新聞の連載小説「軽蔑」(中上健次作)の挿絵として目玉のドローイングだけで通して世間を驚かせた連作「眼」(1990~1991年)など、「まなざし」=「目」に関連する作品33点を展覧する。

 会場を訪れた70代の男性は「入り口のポスターを見て、瞳の絵に見覚えがあり思わず入館した。朝日新聞の小説の挿絵で毎日見ていたのを思い出した」と話していた。

 「まもなく合田さんが亡くなって1年だが、このようなエッセイ集が出版されてたいへん嬉しい」とギャラリーオーナーの三浦次郎さん。「合田さんとは生前に、『毎年個展をやりましょう』と約束していた。今回は一周忌と出版記念を兼ねた企画となったが、今後も何らかの形で合田さんの展示を続けていくつもりなの、ぜひ会場に足を運んでほしい」と話す。

 開廊時間は12時~19時。月曜・火曜休廊。入場無料。今月12日まで。

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