低価格「バックロードホーンスピーカー」-日本橋にいがた館で試聴イベント

バックロードホーンスピーカーから届く音に聴き入る観客。

バックロードホーンスピーカーから届く音に聴き入る観客。

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 日本橋室町にある日本橋・にいがた館NICOプラザ#2(通称=日本橋NICOプラザ)で6月19日・20日、長谷弘工業(新潟県三条市)が製作したバックロードホーンスピーカーの試聴会が開催された。

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 バックロードホーンスピーカーとは、スピーカーの一形式で、ユニット後方から発生する低音をラッパ型の管(ホーン)を通すことによって増幅する方式。一つのスピーカーで通常音と低音を同時出すことができ高音質を得られるが、長大なホーン部分を折り畳んで収納するため箱が大型化しやすいという特徴がある。しかし、同社ではカーブしたベニヤ板を張り合わせる積層方式を開発し、小型化、軽量化、低価格化を実現した。

 同社はもともと作業工具の製造を主としていたが、35年ほど前、同社の長谷川安衛社長が個人的趣味でバックロードホーンスピーカーの開発を始めた。「20代のころ、参加していた発明サークルの知人が作ったコンクリート製の一体成形型バックロードホーンスピーカーに出会い、その素晴らしい音に感激した。この可能性をもっと世に出すべきだと思い製品化を受け継ぎたいと申し出た矢先、発明者の方が亡くなってしまい、その意志を受け継ぐかたちでスタートすることになった」と振り返る。やがて、ベニヤ製積層式スピーカーの発明に至り、さらに簡単で低価格な自作キットを販売するようになる。

 それでも、「当初は趣味程度で、年に2~3台しか売れなかった」。しかし、後にインターネットでの販売を開始したところ、全国のオーディオマニアから問い合わせが入り始めた。現在では月20~30セットを販売している。

 同様のイベントは、「日本橋・にいがた館」で6年前から年2回のペースで続けている。同社製品10種類を展示し、来場者が持参したジャズやクラシック、J-POPなど、好みの音楽CDをかけて、それぞれのスピーカーからの音の違いを聴き比べることができる。来場者には、オーディオファンや同社製品のユーザーが多いが、「日本橋という土地柄、上質なものにこだわる大人の方が多く、百貨店の買い物客などが足を止めてくれる」という。

 長谷川社長は「通常のスピーカーは箱から音が聴こえてくるが、バックロードホーンは空中から聴こえてくるかのような音。より生に近い。解放された音にはメッセージ力がある」と話す。

 次回開催は同館で、11月20日・21日に予定。

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