日本橋各所で7月20日、打ち水イベントが行われた。
東京都などが参加する九都県市首脳会議が推進するエコイベント「打ち水日和(びより)」と連動し、日本橋エリアの企業や団体、町内会などが参加した。
暑さ対策として行う「打ち水」は、日本の夏の風物詩。クーラーや扇風機の無い時代でも、家の軒先や庭に水を撒(ま)くことで快適な夏を過ごしてきた。家に来客があるときは玄関に打ち水をして「おもてなし」の心を表す意味もある。
九都県市首脳会議によると、打ち水は地面の温度を下げる効果があり、水が蒸発するときにまわりの熱を奪う「気化熱」の作用により温度を下げる持続的な効果が期待できるという。さらに日中の日差しの強い時間帯は水を撒いてもすぐに乾いてしまい効果は続ないが、朝と夕方に行う打ち水は涼しさが持続して効果的という。各エリアでは、同会議が定めた16時に、ペットボトルやバケツ、桶などにためた雨水などの再生水を一斉に散水した。
日本橋南詰に7月23日オープン予定の来日観光客向けガイド施設「日本橋案内所」では、ゆかたに身を包んだ案内スタッフ6人が合図に合わせて桶の水を一斉に散水。突然の多国籍ゆかた集団の打ち水に通行人が立ち止まり、あでやかなゆかた姿をスマホで撮影する人の姿も見られた。
人形町通りでは、道に面する商店の軒先で、同商店街協同組合がそろいの法被(はっぴ)で一斉に散水。大観音寺横の防災井戸から井戸水をくみだし、梅雨明けの夏の日差しで焼けた歩道に一斉に水を撒いていた。
福徳神社参道の室町仲通りでは、ペットボトルにためた二次利用水を子どもたちが散水。打ち水でできた水たまりに、どこからともなくアカタテハチョウが舞い降り、羽を休めていた。通りがかりの会社員の一人は「日本橋のような都会の真ん中でチョウチョを見かけるのは珍しい。これも昨年秋に完成した鎮守の森『福徳の森』のおかげかも」と話していた。