今月27日に迫った東京マラソンの開催に向け、人形町大観音寺(日本橋人形町1)に市民ランナーの参拝が増えている。
仏舎利を盗んだ鬼神を追いかけて取り返したとされる俊足の神様・韋駄天(いだてん)を境内の一角に祭る同寺。東京マラソンのコースにも近く、2年ほど前から市民ランナーの参拝が目立つようになったという。
同寺は以前から紙製の「韋駄天尊の肌守」(500円)を授けていたが、「汗で紙がぬれてしまう」というランナーからの要望を受け、竹製で携帯ストラップにもなる「木札守」(700円)とウエアに張れる「ステッカー守」(大・小2枚セット=600円)を製作。ステッカーのイラストは、人形町のタウン誌の表紙などを手がける森本サンゴさんが描いた。
今回の東京マラソンに初出場を予定している港区在住の弁護士・大友潤さん(36)は、コースの下見途中で訪れたという。「2年前からマラソンを始めた。フルマラソンは初めてだが、韋駄天様のご利益で4時間切りを目指したい」と意気込む。
水天宮前交差点すぐの場所にある1877(明治10)年創業の老舗和菓子店「つくし」(日本橋人形町2)は、通常販売している名物「水天宮招福赤飯」を東京マラソンの完走祈願ののしを付け、「韋駄天必勝赤飯」(500円)として販売している。「東京マラソンに参加する孫のためにと買っていかれる方もいる」と同店5代目当主の鷺谷眞観さん。「水天宮前交差点は東京マラソンの残り約10キロ地点で、完走を目指すランナーにとって重要なポイント。地下鉄3路線が至近距離で、応援スポットとしても穴場」と話す。
そのほか、ロイヤルパークホテル(日本橋蛎殻町1)が「マラソン宿泊プラン2011」(27日宿泊まで、スタンダードツイン=1万3,000円~)を提供するなど、人形町かいわいは東京マラソンに向け応援ムードが高まっている。