製粉会館(中央区日本橋兜町)内のキッチンスタジオ「こっけんクッキング」で9月6日、受験生の母親を集めた「朝勝つ講座」が開かれた。
一般に受験勉強は夜型学習のイメージが強く、母親のサポートと言えば夜食が定番。しかし近年は朝型学習の効果が認知されるようになり、母親たちの関心が高まっているという。
子どもの学習に食生活が重要と考える大手学習塾、市進教育グループのNPO法人「リスタ」(文京区)が、母親を対象に約400回の食育講座の実績があるネスレ日本(兵庫県神戸市)に呼び掛け、共同で朝の活用法を提案するプログラムを開発し同講座を開いた。
当日は、受験生の子どもを持つ親33人が参加。講師歴24年の市進学院の関口佳彦さんが朝を活用した学習法を発表し、子どもに集中力を与えるため15分単位で学習を進めることや、ゲーム感覚を取り入れるなどの工夫をレクチャーした。ネスレ日本の福島洋一さんは最新の「時間栄養学」を踏まえ、朝食で脳を活性化させるポイントを伝授。炭水化物とタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく採る朝食が子どもにエネルギーを与え、朝食抜きの生活が記憶力や集中力を低下させる働きを解説した。
講座後には、エプロン姿の参加者が「朝勝つレシピ」の調理に挑戦。細切り野菜の中に卵を割り落とした「巣ごもり卵」と「ソーセージとトマトのチーズ焼き」「かぼちゃのサラダ」「フルーツ入りヨーグルト」、ネスレ製の「ミロ」が入った牛乳、パンというメニューを作り、試食した。
「牛乳と野菜から食べるとブドウ糖の吸収に効果があるというのは初めて知り勉強になった」と中学受験を控えた子どもを持つ鎌田千鶴さん(48)。唯一父親として参加した栗原正樹さん(47)からは「妻の苦労がよく分かった。これからは家族で協力していきたい」という声も。そのほか、「朝の弱い息子が心配。根気強く頑張らなければ」など、受験シーズン本番に向けた親たちの意気込みが見られた。