12月20日、東京駅は開業100周年を迎えた。日本近代の歴史とともに歩んできた東京駅は「中央停車場」として設計され1914年12月に竣工。ヨーロッパの代表的な駅舎であるアムステルダム中央駅をヒントに、赤レンガに白い花崗(かこう)岩をあしらった「辰野式」と呼ばれる壮大な外観は、当時日露戦争に勝利した国家の威信を表したものだという。設計者の辰野金吾博士は唐津藩の洋学校「耐恒寮」を経て、「工学寮」(現在の東大工学部)で近代建築を学び、日本橋の日本銀行をはじめ生涯に200を超える作品を設計した。
「びゅうスクエア」では、辰野博士の出身地を紹介する「唐津フェア」を開催
100周年を記念して、北ドームの東京ステーションギャラリー(03-3212-2485)では「東京駅100年の記憶」と題して、復原工事の過程で発見された図面や100年間の丸の内の変化を再現したジオラマのほか東京駅を扱った写真、絵画や絵ハガキなどの資料を展示。参加費無料のギャラリートークやレンガ・タッチ&トークも行われる。(要入場料)
駅構内地下1階の「びゅうスクエア」では、辰野博士の出身地、唐津市を紹介する「唐津フェア」が開催されている。玄界灘に面し、かつては唐の文化伝来の窓口「唐の津」として栄えた同市、フェアでは博士のパネルや東京駅の屋根飾り試作品などの展示のほか、「産品唐津ブランド」として認証された「海のかりんとう」や「松露饅頭」「松浦漬」など、東京では購入しにくい認証品を多数とりそろえる。「商品に触れて、唐津の魅力を感じてほしい」と同市観光課の松永英恵さん、「唐津にお越しいただき、辰野金吾を育んだ自然や風土に接してほしい」とも。
ギャラリー開館時間は10時~18時(金曜日は20時)一般900円高校・大学生700円中学生以下無料、定休月曜日(12月29日~1月1日は休館)3月1日まで。
唐津フェア、開催時間は10時~20時、12月21日まで。入場無料、問い合わせは唐津市観光課(0955-72-9127)。