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東京駅でオーケストラ演奏会 丸の内駅舎に被災地の若き音楽家の調べ響く

丸の内駅舎北ドームに、東北の若き演奏者たちの調べが響き渡る

丸の内駅舎北ドームに、東北の若き演奏者たちの調べが響き渡る

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 東京駅丸の内駅舎北口ドーム中央で4月1日、JR東日本発足30周年記念コンサート「エキコン@TOKYO STATION」が開催された。

オーケストラ立ち上げ当初から指導に当たっている須藤亜佐子さん

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 同駅では1987(昭和62)年、国鉄民営化時に駅構内で開催するクラッシックコンサート「エキコン」を初開催し、今回は2007年以来10年ぶりとなる。

 丸の内駅舎復原工事後初めての開催となったこの日は、東日本大震災の被災地から「相馬子どもオーケストラ」と「東北ユースオーケストラ」の2団体が出演し、演奏を披露した。

 東日本大震災の後、被災地の子どもたちの「生きる力」を、音楽を通して育むことを目的として相馬市と一般社団法人エル・システマジャパンが2012年に立ち上げた「相馬子どもオーケストラ」。

 2016年にはドイツでのベルリン・フィルとの交響曲「運命」の共演が話題となった。7歳から17歳、140人の団員の中から今回は15人が上京し、モーツアルトの「小夜曲」や「相馬盆唄」のアレンジ曲など4曲を披露した。

 オーケストラ立ち上げ当初から子どもたちの指導に当たっているという須藤亜佐子さんは「音楽は人に生命力を与えてくれる。震災後、最初は無表情だった子どもたちも、初めての楽器に夢中になり、しだいに笑顔が出てくるようになった。その笑顔が大人たちに伝染して相馬市が活気ある街になれば」と話す。

 仙台から参加した「東北ユースオーケストラ」は、被災した学校の楽器の点検修理や音楽活動を行ってきた音楽家の坂本隆一さんによる復興支援プロジェクト。小学4年生から大学生まで公募で集まった約100人の混成オーケストラで、演奏を通じて被災地の心の復興を図り、震災の記憶の風化を防ぎ、楽団員の中から世界的音楽家の輩出を目指す。

 今回は、コソボ紛争後、敵味方で構成するコソボフィルハーモニーを取り仕切った首席指揮者として知られる柳澤寿男さんの指揮で坂本さんの楽曲「ラストエンペラー」や「「八重の桜メインテーマ」、東北の民謡をアレンジした「Three Tohoku Songs」などを演奏した。

 「地方と東京を結び、人と人の縁をつなぐ東京駅という貴重な場所での演奏の機会を頂き、とても光栄で、学生たちにもいい経験になる」と柳澤さん。「駅の雑踏の音も音楽の一つとして捉えて楽しんでほしい」と話していた。

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