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日本橋の老舗で世界都市「江戸」誕生秘話講演会 創業者半生記の小説化記念で

「5年前に構想し、仕事の合間を縫って3年かけて書き上げた」と伊場仙14代目当主の吉田誠男さん

「5年前に構想し、仕事の合間を縫って3年かけて書き上げた」と伊場仙14代目当主の吉田誠男さん

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 日本橋の老舗扇子店「伊場仙」(中央区日本橋小舟町4、TEL 03-3664-9261)7階会議室で9月7日、早朝セミナー「小説『遠き海原』をお読みになる前に」が開催される。主催は日本橋文化交流会。

初代伊場勘左衛門の半生記と「江戸」誕生の秘話を描いた小説「遠き海原」

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 徳川家康が江戸入りした1590(天正18)年を創業の年とする同店。創業者伊場屋勘左衛門は遠江国敷知郡伊場村(浜松市中区)の出身で、徳川家臣団とともに江戸入りし、日本橋川の掘削や湿地帯の埋め立てなど江戸の街づくりに携わった。創業当時は幕府御用達として和紙、竹を扱っていたが、元禄期にはそれらを材料とした団扇を手掛けるようになり、江戸後期には団扇に浮世絵を貼り付ける団扇絵版元として歌川国芳、豊国、広重など歌川派の絵師を起用し、幕末の団扇絵の大半を扱った。

 その初代勘左衛門の半生記をベースに「江戸」誕生の秘話を、同店14代目当主の吉田誠男さんが小説「遠き海原」として今年4月に出版。同作は同店に代々伝わる「江戸は徳川と三河の人々、数人の紅毛人によって拓かれた」という口伝をベースに作り上げたという。セミナーでは、その解説を中心に老舗「伊場仙」の歩みと江戸初期の街づくりについて講演する。

 「5年前に構想し、仕事の合間を縫って3年かけて書き上げた。書ききれないことも数多くあるが、講演会ではそうした裏話も用意して、すでに作品を読んだ人も、まだ読んでない人にも楽しめるようにしたい」と吉田さん。「江戸開闢(かいびゃく)以来の伊場仙だからこそ分かる、江戸の真実と世界都市『江戸』誕生の話をしたい。最近、何かと話題の多い日本橋だがこの小説を読んで、江戸の始まりのころの日本橋に思いをはせてほしい」と話す。

  開催時間は7時~8時10分。参加費3,000円(朝食付き)。申し込みはフェイスブックページで受け付けている。

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