見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

東京駅丸の内駅舎が全面開業-訪日外国人サービスやアートギャラリーも

大正時代の外観に21世紀の設備を備えた、新しい東京駅

大正時代の外観に21世紀の設備を備えた、新しい東京駅

  • 1

  •  

 東京駅丸の内駅舎が10月1日、全面開業を迎えた。

復元された丸の内北口ドーム内部

[広告]

 1914(大正3)年に営業を開始した同駅舎。戦災で焼失した創建当時の姿を復元する約5年間の工事を完了し、67年ぶりにドーム型屋根の赤レンガ駅舎が復活する。内外装ともに忠実に再現するとともに、免震構造が施された駅舎は、地上3階、地下2階建て。延べ床面積は約4万3000平方メートル。同日午後には式典が予定されていたが、台風の影響で中止となった。

 工事には延べ78万人の職人が関わった。屋根には、2億5000万年前の玄昌石の天然スレート45万7000枚を使うが、うち4万枚は宮城県石巻で清掃処理中に津波に流された6万5000枚を手作業で拾い集めたもの。中央部と南北ドーム部分に使われ、震災復興のシンボルにもなっている。

 駅舎開業に合わせ、東京駅は国際都市・東京のターミナルとしての機能を強化し、訪日外国人向けのサービスを充実させる。丸の内北口ドーム内に、英語・中国語・韓国語・日本語に対応する施設「JR EAST Travel Service Center」を設置。JR乗車券の手配を行う旅行カウンター、観光案内所、33通貨対応の外貨両替所、ATM、手荷物関連サービス所を備える。そのほか、同施設付近をはじめ、東京駅構内に15カ所のアクセスポイントを設置し、英語・中国語・ハングル・日本語に対応した無料公衆無線LANサービスを提供する。

 南北ドームと通路には、新たなデジタルサイネージの設置も。ドームの形状に沿って中心を取り囲むように、各ドームに4カ所、計8カ所に、高さ1.22メートル、幅6.18メートルの55インチ9面マルチディスプレー「TOKYO MARU-VISION」を展開。通路には、連続した10本の柱に65インチの「J・ADビジョン」16面を展開する。7月には丸の内中央口横総武階段に284インチの「大型LEDビジョン」が上映を始めており、歴史ある建造物に設置された最新鋭のデジタル技術が「新しい東京駅」を象徴する。

 2006年から休館していた「東京ステーションギャラリー」も復活。創建当時のレンガ壁の雰囲気を楽しめる2階、現代的な壁面の3階に展示室を備え、フロア面積は2900平方メートル。「小さくとも本格的な美術館」を掲げ、近現代アートを展示。オープニング展は、鉄道をテーマに9人の作家が集まった企画展「始発電車を待ちながら」を開催している。入館料500円。来年2月24日まで。ミュージアムショップ「TRAINIART(トレニアート)」は、展覧会関連商品のほか、多数のアーティスト・デザイナーが東京駅を自由に表現したオリジナルグッズ、日本中・世界中からセレクトしたアートグッズを販売する。月曜~金曜=11時~22時、土曜・日曜・祝日=10時~18時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。

 そのほか、改札内1階中央通路の駅ナカ商業施設「Central Street(セントラルストリート)」に、12店で成る「Sweets Bouquet(スイーツブーケ)銘菓紀行」や、ベーカリーやテークアウトカフェなどを備える「Select Market(セレクトマーケット)東京百貨」が開業。3日には「東京ステーションホテル」が開業し、5日には八重洲口側の「大丸東京」がグランドオープンするなど、東京駅は今、「通過点」から「目的地」へと変貌を遂げようとしている。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース