大阪ガス株式会社(代表取締役社長:藤原 正隆、以下「大阪ガス」)は、国立大学法人東京大学 先端科学技術研究センター(所長:杉山 正和、以下「東大先端研」)と、カーボンニュートラルや気候変動対策、ヘルスケア分野などにおける社会課題の解決に向け、2025年3月25日に包括連携協定を締結しました。同年4月1日より活動を開始し、両者の強みを融合することによる新たなイノベーションの創出や、当社の新研究開発拠点を活用した活動などを行う予定です。
本連携により、単独では得られない研究開発テーマの発掘や、両者の交流による研究者の育成およびネットワークの形成を進めてまいります。
包括連携に関するセレモニーにて(2025年3月25日)
左から、東京大学 先端科学技術研究センター所長 杉山 正和、大阪ガス エネルギー技術研究所長 森田 哲司 *1
前列左から2番目が東京大学 先端科学技術研究センター所長 杉山 正和、
左から3番目が大阪ガス エネルギー技術研究所長 森田 哲司 *1
*1: 2025年4月1日より、大阪ガス エネルギー技術研究所は、「先端技術研究所」に名称を変更しました
東大先端研とは~文系と理系の垣根を越えた領域横断の研究活動~
東京大学で最も新しい附置研究所である東大先端研は、1987年の設立以来、 学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ挑戦し続け、新領域を開拓することによって科学技術の発展に貢献することを使命としています。学際性・流動性・国際性・公開性という四つの基本理念を掲げ、文系と理系の垣根を越えた領域横断の研究活動を行っています。 東大先端研の最大の特色は研究者や研究分野の多様性にあり、40にのぼる専門分野・部門名を冠した研究室が、理工系の先端研究と、 社会科学やバリアフリーという社会システムに関わる研究を、基礎から応用、社会へと広範な領域で展開しています。 また、博士後期課程(先端学際工学専攻)を有し、イノベーションを生み出す力を持った人材育成にも取り組んでいます。
東大先端研の産学連携の特徴
詳細はこちら:東京大学 先端科学技術研究センター
大阪ガス 先端技術研究所(旧:エネルギー技術研究所)の取り組み
研究開発の加速が必要
Daigasグループは2024年に公表した「中期経営計画2026」で、社会課題解決に貢献する目標を設定しました。社会課題の解決には、長期的な取り組みが必要となることから、産官学のパートナーとの連携を推進し、研究開発をさらに加速していく必要があります。
大阪ガス先端技術研究所では、エネルギーのカーボンニュートラル化だけでなく、レジリエンス向上・先進的なソリューションの研究開発も推進しており、多様な社会課題解決への貢献を目指しています。一方、保有するコア技術を活用した新しい研究開発にも取り組んでいきたいと考えてきました。
*2:D-BHB/発酵生成による天然由来品として大阪ガスが初めて製造に成功。ダイエット・睡眠改善・運動機能向上効果が確認されている物質。大阪ガスケミカルより材料販売中
*3:SPACECOOL/放射冷却技術を利用した光学フィルム。太陽光と大気からの熱をブロックし熱吸収を抑えるだけではなく、宇宙に輻射も行うことで熱を捨て、ゼロエネルギーで外気より低温にする新素材
東大先端研との産学連携活動(~2024年)
大阪ガス先端技術研究所は、課題解決の早期実現に向け連携によるイノベーションの創出が重要と考え、 2024年度より東大先端研と交流を開始しました。
まずは気象分野で、風力発電所の発電量推定の高度化について学術指導を受けながら、2024年10月には東大先端研が代表を務めるJST 共創の場支援プログラムの1つ「地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点(ClimCORE)」に参画しました。ClimCOREへの参画によって、大阪ガスは日本域気象再解析データ*3にアクセス可能となり、これを活用して再エネ(太陽光・風力)の評価技術を高め、エネルギー事業の改善につながる研究を推進しています。
*3:再解析データ/日々の天気予報に利用している最新の数値予報システムと過去の観測データを活用して、過去の大気の状況(気圧・風・気温・湿度・日照・降水等)を空間三次元+時間の四次元データとして再現したもの
東大先端研との包括連携締結のねらい
これまでの連携をより発展させ、カーボンニュートラルや気候変動対策、ヘルスケアなどさまざまな社会課題解決に向け、それぞれが強みを持つ専門分野・カテゴリーを分野横断的な視点で融合させ、新たなイノベーションを創出することが包括連携協定締結の目的です。
大阪ガスの単独開発では得られない研究開発テーマ創出や、交流活動による研究者の育成やネットワークの形成、研究成果発表を通じた社会の興味・関心の向上、そして、中長期的な連携によって事業部門を巻き込みながらDaigasグループ全体の活動に広げていくことで、社会実装につなげていきたいと考えています。
今後、解決したい社会課題のテーマ創出をメイン活動に据え、両者研究員の相互交流・共創ラボの設置や情報発信を予定しています。
東大先端研との包括連携の内容
■概要
企業名 :大阪ガス株式会社
本社所在地 :大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表 :代表取締役社長 藤原 正隆
設立日 :1897年4月10日
事業概要 :ガスの製造・販売、電力の発電・販売 等
WEBサイト:https://www.osakagas.co.jp/
研究所名 :東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)
所在地 :東京都目黒区駒場4丁目6番1号
所長 :杉山 正和
設立日 :東京都目黒区駒場4丁目6番1号
WEBサイト:https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html