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東北との交流カフェ「わたす日本橋」で「語り部の会」 震災体験を伝える

震災当日に撮影されたビデオを見る参加者

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 日本橋のカフェ「わたす日本橋」(中央区日本橋1、TEL 03-3510-3185)3階の交流フロア「わたすルーム」で4月17日、「震災体験から学ぶ~語り部の会」が行われた。

「自分達の教訓を生かしてほしい」と佐藤さん

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 震災体験を聞くことで災害に備える知恵を学ぶという同イベント、第1回の講演者は南三陸町志津川中瀬町行政区長の佐藤徳郎さん。

 津波で家と畑を流されたという佐藤さん。奇跡的に手元に残った住民リストを片手に、被災直後から避難所を巡り3日かけて約600人の安否確認を行ったという。震災以来、行政区民ぐるみの仮設住宅への移転や復興住宅の建設など中瀬町のまとめ役として、自治体との折衝に力を注いでいる。

 「5年頑張れば何とかなると思っていたが、現実に合わない法律や条例が制約となって復興のスピードは遅く、時間だけが過ぎていく。住民視点で、被災地の現状に疎い国の政策にNOと言える町の職員が見当たらない」と手厳しい。「頑張っているのは分かるが、仕事が遅すぎる。もっと住民や民間の力を活用すべき」と指摘する。

 「国の支援が期待できるのは1週間後。水や食料の備蓄は最低7日分が必要」「車も定期的に燃料を満タンにしておく」「避難先はあらかじめ決めておいて、個々が自力で逃げる。見当たらないからといって決して探しに戻らない」「役所の方針に無条件に従うのでなく、現実を伝えて問題提起し続ける」など、被災体験者としてのアドバイスは極めて具体的だ。

 自然災害はいやでも起きてしまうものだが、事前の十分な準備で被害を最小限に抑えられるとも指摘。「東北の過疎地でもあれだけの災害となった。都会の人口密集地では被害はさらに拡大するだろう」と佐藤区長は警鐘を鳴らす。「自分たちの被災の教訓が生かされたなら、あの震災にも意味があったのではないか」と語った。

 講演後、会場では佐藤さんが再建した畑で育てられたホウレン草の販売会が行われた。

 東日本大震災の復興支援の一環として、東北の情報発信や交流を行う拠点として開く同店。今後も定期的に被災地と日本橋をつなぐイベントを実施していくという。

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