東京駅周辺で、関西の大学主催による社会人セミナーが活気を見せている。
アクセスの良さもあり、同駅周辺には多くの関西私学が東京オフィスを構えている。日本橋口のサピアタワー(千代田区丸の内1)に関大・関学・立命館の3校が、京橋イーストビル(中央区京橋2)には同志社大学が東京事務所を構え、それぞれ学生の就活支援や産学連携の拠点として活用しながら、社会人向けに充実した講座を展開している。
関西大学東京センター(TEL 03-3211-1670)では5月23日から4回連続で、「絵画のおいしい味わい方 ~さあ、美術館へ。ぜひ。」と題した特別連続セミナーを開催。関西学院大学東京丸の内キャンパス(TEL 03-5222-5678)も東京商工会議所との共催で5月18日、「ビジネスの流れを読む」の第1回として「人民元とアジア通貨の活用で、アジアの活力を取り込む」を開催する。
立命館大学 東京キャンパス(TEL03-5224-8188)では「金融と法」と題して1年間の連続講座を企画するほか、「孔子学院中国語講座」「WSJ(ウォールストリートジャーナル)で学ぶ金融英語 実践講座」などを用意する。
大河ドラマ「八重の桜」で話題となった同志社大学の東京オフィス(中央区京橋2、TEL 03-6228-7260)では、「ビジネスパーソンに効く講座」をテーマに元キリンビール副社長の岩佐英史さんによる「売れない時代のブランドマーケティング(全5回)」など実務家によるスキルアップ講座や、源氏物語や京都の遺跡をテーマにした歴史講座(全4回)、村田晃嗣学長による「グローバルトレンドを語る(全5回)」など、OBや人気教授陣よるプログラムを集める。「新島襄の精神を受け継ぐ国際感覚あふれる講座を楽しんでほしい」と同大学の担当者はアピールする。「卒業生だけでなく、多くの社会人にも参加してほしい」とも。
少子化が進む中、各校ともに首都圏エリアでのブランディングは大きな課題。社会人向けの講座は差別化の強力な手段となるという。各大学はそれぞれの校風と特長を生かしながら独自のカリキュラムを立ち上げ、受講者獲得にしのぎを削っている。