日本橋室町東地区開発第1弾となる大型商業施設「COREDO(コレド)室町」と「YUITO(ユイト)」の内覧会が10月25日、報道陣など関係者向けに公開された。
コレド室町は三井不動産、ユイトは野村不動産が運営。三井本館、日本橋三井タワーと向かい合い、中央通り沿いに並び立つ。かつての江戸や世界の都市のまちづくりを参考にした「通りの特徴を生かした街の再生」をテーマに、中央通りに面する低層部のスカイラインを約31メートルに統一するなど、景観形成に配慮し、歩いて楽しい街づくりを目指す。
「日本橋に足りないもの」を備えるという両施設。コレド室町は音楽ライブや伝統芸能、ビジネス利用などが可能な多目的ホール「日本橋三井ホール」を、ユイトは大規模な会議やセミナーなどに活用できる「野村カンファレンスプラザ日本橋」をそれぞれ備える。さらに、30~40代が利用しやすい深夜営業の飲食店も充実させた。両施設の飲食フロアは23時までの営業となり、ユイトには28時まで営業する「XEX日本橋」がオープンする。これらにより夜間と土日の利用を促し、日本橋を「週5日から週7日の街」にしていくという。
そのほか、コレド室町には、「にんべん」「木屋」などの老舗や東京初出店となる金沢の箔(はく)専門店「箔座日本橋」、ミシュラン2つ星レストランの「エメ・ヴィメール」の新業態となるカフェとパティスリー、中華「四川飯店」の新業態店、「BISTRO石川亭」などの飲食店がオープン。年間の売り上げ目標は40億円。一方、ユイトには、デンマークのライフスタイルブランド「ジョージ・ジェンセン」の日本最大店舗、北欧のインテリアショップ「ILLUMS」、銀座「DAZZLE」の姉妹店「D bresserie & sweetroom」などがオープンする。
「大都市の再生が国の再生を引っ張ることは通例」と三井不動産の岩沙弘道社長。「歴史と文化はお金では買えないもの。だからこそ競争力の源泉となる。日本橋は江戸東京の上質な魅力を持つ街。その価値をさらに高めることで、上海やシンガポールをはじめとした大都市とのグローバルな競争で十分に戦える」とし、日本橋を海外からの観光客を誘引する街と位置付けていく構想を示す。これに基づき、単体の商業施設としてではなく、近隣の三越、高島屋や数多くの老舗店などとともに同地域全体をPRすることを目的とし、コレド室町地下1階に「日本橋案内所」を設置。「日本橋コンシェルジュ」が地域の情報を提供する。併せて、同地域の情報を発信するフリーマガジン「日本橋ごよみ」も創刊した。
両施設は今月28日にオープン予定。