日本橋三越本店(中央区日本橋1、TEL 03-3241-3311)本館5階で行われている「剽軽(へうげ)大茶会 ~激陶者集団へうげ十作展~古田織部没後四○○年~」が人気を呼んでいる。
没後400年を超えて再評価が続く武将茶人古田織部を描く人気コミック「へうげもの」のスピンオフ企画の一環で生まれた同イベント。会場には国内外で活躍する若手陶芸家の「今焼」といわれる力作など、古田織部のモノづくりのDNAを現代に受け継ぐ、「へうげ十作家」の作品を一堂に集める。
岡山から運び込んだという「リアカー茶室」で一日限定の茶室も設け、「へうげもの」の世界観を現代に伝える数少ない茶人といわれる松村宗亮さんが呈茶。来場客を楽しませていた。
出品者の一人、穂高隆児さんは在スペイン日本大使館に日本料理人として勤めていたという経歴を持つが、和の器の魅力に取りつかれて陶芸の世界に入ったという。「料理人で器にハマる人は多いが、自分もその典型。料理と器、双方で自分の和食の世界観を伝えたい」と話す。
連載10周年という同作品だが、スピンオフ企画も8年目を迎える。プロデューサーの石橋圭吾さんは「伝統的な作品から実験的なものまで多種多様な作品を紹介し、シニア層を中心に多くのお客さまに喜んでいただいてきた。」と振り返る。「茶道は、陶芸、料理、花、掛け軸、漆器、建築と、多くの日本の伝統工芸の上に成り立つ、いわば和の総合芸術。今後も『へうげもの』の世界観が共有できる、さまざまなアーティストに声を掛けていきたい」とも。
同じ5階フロアではインテリア業界のパリコレともいわれる見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展した工芸品などを凱旋展示する「メゾン・エ・オブジェ パリ凱旋フェア」も行われており、日本の工芸品の魅力を伝えている。
開催時間は10時~19時。「へうげもの」「パリ凱旋フェア」ともに11月3日まで。