日本橋小網町の小網神社(中央区日本橋小網町)で11月29日、「どぶろく祭り」が開催された。
1466年に創建され、七福神の一つ福禄寿・弁財天を祭る同神社。強運厄除の神様としてあがめられており、例年、正月には「東京下町八福神参り」の参拝先の一つとしてにぎわう。最近ではテレビやインターネットでパワースポットとして取り上げられたことから、遠方からの若い世代の訪問が増えている。
同祭りは、五穀豊穣を感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」で供え物のにごり酒「どぶろく」を参拝者に振る舞ったことが起こり。「はっきりした記録はないが江戸時代後期ごろから」と同神社宮司の服部匡記さん。新嘗祭は本来11月23日に行われるのが習わしだが、同地域は休日の人口が極端に減るため、例年11月28日(日曜の場合は29日)に開催している。
どぶろくは例年約1,000人分ほど用意し、朝9時から夕方まで無料で提供。12時からは社殿で祭典が行われ、12時30分から国の重要無形民俗文化財に指定されている「郷神楽舞(さとかぐらまい)」が奉納された。「参拝者は近隣の会社にお勤めの方が中心なので、昼休みに参拝だけ先にして、仕事帰りにどぶろくを飲みに来る人もいる。縁起物なので多くの方に親しんでもらえれば」と服部さん。
同神社では、ススキでできた強運厄除けのお守り「下町のみみずく」を同日から正月にかけて授与する。