日本橋小網町のデザイン事務所「バッタ☆ネイション」のイベントスペース「Co-Net」で12月4日、さまざまな職種のフリーランサーが集うイベント「フリーランス食堂」が行われた。今年3月に引き続き、2回目の開催。
同イベントを企画運営するのは、編集プロダクション、広告制作会社を経て、現在はフリーランスで活躍するコピーライター森田哲生さん。「フリーランサーには社員食堂がない。しかし、『自分の足で立って、自分の腕で稼ぐ』という生き方を選んだ共通点を持つ者同士、たまにはみんなで集まって、一緒に食事ができたら面白いのでは」という思いが出発点。フリーランス同士の交流のみならず、フリーランスになりたい人や気になっている人などを対象に場を作り出す。「これを機会に、一緒にやれるパートナーが見つかるといい」と期待も込める。
当日、ケータリングの仕事を請け負うこともあるという森田さんがイベント開始3時間前から料理の仕込みを開始。料理は大皿で提供し、参加者がカウンターに列を作るセルフサービススタイル。この日は、サラダ2種、肉料理2種、スープ、ご飯を用意した。
イベント後半には参加者の自己紹介やウェブコンテンツディレクション会社「ヒマナイヌ」(渋谷区)の社長・川井拓也さんと森田さんによる座談会が行われ、フリーランスで働くことになった経緯やフリーランスならではの悩みなど「フリーランスあるある」を披露。会場の様子はユーストリームでも中継された。
今回の参加者は、フリーのデザイナー、プロデューサー、イラストレーター、エンジニア、漫画家、編集者、カメラマンなど。呼びかけはツイッターのみだが、約40人の定員が1日以内に埋まるなど反響が大きく、ツイッターを通じて食材の提供や運営の手伝いなど、イベントへの協力を申し出るケースも。
「ツイッターでつぶやいたことが、何かを巻き起こす。一つひとつの行動が自分自身の何かになる。それはフリーランスの本質そのもの」と森田さん。「フリーで働く人の多くはライフスタイルの追求に終始し、ビジネス面では必ずしも成功しないことが多いが、そこも目指していきたい」とも。そこに思い至るのは、フリーランスを含めたさまざまなスタイルで働くクリエーターの実例を集めた書籍「クリエイターの渡世術-20組が語るやりたいの叶え方」に、森田さん自身が実例として参加し、人や仕事との出会いが広がったことがきっかけ。「フリーなのだから、自分の存在を知ってもらってなんぼ。もっと行動して目立っていくことが必要」と話す。
今後は2~3カ月に1回程度、開催していく予定。