内田洋行(中央区新川2)内のイベントスペース「ユビキタス協創広場 CANVAS」で12月16日、AR技術についてのシンポジウム「AR忘年会」が行われた。「AR三兄弟」と内田洋行の共催。
AR(Augmented Reality=拡張現実感)とは、目に見えている現実の環境にコンピューター上で作った情報を合成し、デジタル空間に知覚情報を補足して見せる技術のこと。iPhoneアプリ「セカイカメラ」を代表例として活用の場が広がり、昨年の国内市場は約200 億円に成長、2015 年には1,800 億円まで拡大すると予測されている。
AR三兄弟は、システム開発プロダクション「ALTERNATIVE DESIGN++」が結成したARに特化した開発ユニット。さまざまな業界や媒体と連携し、より多くの人がARを身近に感じられる手法やアイデアを探求している。
当日は、内田洋行によるARの活用事例や同ユニットの今年の活動を紹介。そのほか、「AR宴会芸」と称し、ARマーカー(QRコードのようにウェブカメラで情報を読み取ることができるマーク)を読み取ることで現実のリモコンを遠隔操作する「ARリモコン」や、ウェブカメラに向かって空中を指でかき混ぜる動作をすることで電気をつける「AR発電」、ウェブカメラの前でマッチをともすと任意に入力したツイッターIDの発言を解析してユーチューブから抽出した動画をマッチの上に映し出す「ARマッチ」、指先が光る仕組みの手袋で映像を動かし音を奏でる楽器、パソコンに対峙(たいじ)したとき視界に入るサンタクロースやツリーなどのクリスマス情報を消す「クリスマスキャンセリング」など、ユニークな企画のデモンストレーションが行われた。
参加者は約150人。AR業界の研究者や第一線で活躍するクリエーターをゲストに招き、会場の様子はユーストリームで中継し、ツイッターとも連携。最新技術を駆使しながらユーモアあふれる「宴会芸」に会場は盛り上がった。