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京橋で落合陽一さん個展 江戸伝統の食文化をAIと職人技で表現

江戸の伝統を現代的に表現した彫刻作品「鰻龍(うなぎドラゴン)」

江戸の伝統を現代的に表現した彫刻作品「鰻龍(うなぎドラゴン)」

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 メディアアーティストの落合陽一さんによる個展「昼夜の相代も神仏:鮨ヌル∴鰻ドラゴン(ひるよるの あいかわるわきも かみほとけ:すしぬる∴うなぎどらごん)」が9月7日から、「BAG-Brillia Art Gallery-」(中央区京橋3)で開催されている。主催は東京建物(中央区八重洲1)。

江戸伝統の食文化をAIと職人技で表現

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 筑波大学准教授でもある落合さんが長年追求してきたという哲学体系「デジタルネイチャー・計算機自然」を基盤に、江戸時代の宗教的空間を考察し、時間と空間の循環的な性質を探求する同展。展示会タイトル中の「ヌル」は計算機科学における「null概念」を指し、仏教の「空」思想を表現しているという。

 落合さんは個展開催に当たり、八重洲・日本橋・京橋地域の歴史を調査し、老舗や有識者へのインタビューなどフィールドワークに力を入れてきたという。同地域の歴史や文化への理解を深め、江戸の伝統を現代的に表現した2つの彫刻作品「鰻龍(うなぎドラゴン)」と「一仏五鮎八鰻三角縁仏獣鏡(いちぶつごでんはちまんさんかくぶちぶつじゅうきょう)」を制作した。

 会場は「ギャラリー『鰻屋 鰻龍』」と「ギャラリー『鮨ヌル』」の2室に分け、入り口を2カ所設置。右側の会場「鰻屋 鰻龍」中央には、エキゾチックなインドの神像を思わせる彫刻作品「鰻龍(うなぎドラゴン)」を展示する。同作品はAIで作ったデータを基に職人が製作した。会場内では、江戸時代のうなぎ店の店先を再現したほか、古めかしいモニターを使った映像作品などのメディアアート作品を展示。邦楽が流れる中、会場を暗くし、昼夜が切り替わる様子を表現する。

 もう一つの会場「ギャラリー『鮨ヌル』」ではすし店のつけ場のようなカウンターを設置。カウンターの上には、「鮨ヌル」会場の「ご神体」として彫刻作品「一仏五鮎八鰻三角縁仏獣鏡」を設置する。木彫りの「円空仏」をデジタル処理して職人が木彫りした同作品は、「本物に似ているため流出厳禁といういわく付きの作品」(同展パンフレットより)だという。会場奥にはフィルムカメラを現像する暗室のようなインスタレーションをメディアアート作品と共に展示している。

 開催時間は11時~19時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入場無料。10月27日まで。

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