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日本橋でまち歩きイベント「浮世絵で歩く」 江戸の賑わい訪ね名所巡る

江戸後期、蔦屋重三郎が設立した版元「耕書堂」跡で、ガイドの天野さんの話に聞き入る参加者たち

江戸後期、蔦屋重三郎が設立した版元「耕書堂」跡で、ガイドの天野さんの話に聞き入る参加者たち

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街歩きイベント「江戸商いの原点 賑(にぎ)わいの街 本町通り界隈(かいわい)を歩く」が10月13日、開催された。主催は文化財サポーター協会(中央区)。

本橋でまち歩きイベント「浮世絵で歩く」 江戸の賑わい訪ね名所巡る

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 秋の中央区歴史散歩イベント「浮世絵で歩く中央区」第3弾となる同企画。当日は参加者11人が小伝馬町駅に集合し、浅草橋の「郡代(ぐんだい)屋敷跡」(中央区日本橋馬喰町2)まで、江戸時代の目抜き通りだった「日光街道」を中心としたコースを徒歩で約2時間かけて巡った。

 案内は、中央区が主催する生涯学習サポーター養成コース「まち案内ボランティア講座」を修了し、中央区初の登録認定を受けた「まち歩きボランティアガイド」が担当した。この日の案内人は、ベテランガイドの天野譯溥(つぐひろ)さん。江戸時代に造詣が深く、参加者からは「天野さんは江戸に住んでいたことがあって、まるで当時の人の生活や明暦の大火を目撃してきたよう」との声が上がっていた。

 参加者はまず、歌川広重の浮世絵「東都大伝馬町繁栄之図」の面影を探して、代々徳川家康の伝馬(てんま)役を務めた馬込勘解由(読みがな)が居住したことから地名の由来になった「馬込勘解由屋敷跡」(中央区日本橋大伝馬町3)や、家康から「恵比寿神」を授かったとのいわれがある「寳田恵比寿(たからだえびす)神社」(中央区日本橋本町3)を見学した。

 その後日光街道に入り、「大江戸三大呉服店」の一つに数えられた「大丸屋呉服店跡」、北斎や写楽をプロデュースしてしゃれ本や浮世絵の版元となった「蔦屋重三郎『耕書堂』跡」(中央区日本橋大伝馬町13)を見学。天野さんによると、大伝馬町エリアは市電が北側の通りに敷かれたことで人流が一変して往来のにぎやかさがすたれていったという。このほか、豊臣秀吉の軍勢から不動尊像を守るため建立したとされる「薬研堀不動院」(中央区東日本橋2)、昭和天皇行幸記念の「臨幸記念碑」(中央区東日本橋1)などを巡った。

 休憩をはさんだ後は、両国橋の手前の「両国広小路」(中央区東日本橋2)かいわいに移動。1657(明暦3)年明暦の大火を教訓に「火よけ地」となった同地は、普段は人々が集まる場所になり、「名所江戸百景 両国花火」では、江戸時代の夏の風物詩として描かれているという。

 参加女性の1人は「2025年から始まる大河ドラマの予習も兼ねて浮世絵シリーズには3回とも参加した。知っているようで知らない道を案内していただいた。大河ドラマがより楽しみになった」と話す。中央区の歴史研究が趣味という男性は「今日学んだことを手掛かりにまた調べたいことが増えた。日本橋は面白くて興味が尽きない」と話す。

 今回サポートスタッフとして参加し、普段はガイドを務める同会員の角田和恵さんは「中央区のまち歩きツアーのテーマは多彩。日本橋ならではの史跡・旧跡・名所や名所を巡ることができる。まだ知られていない所もあるので積極的に参加してほしい」と呼びかける。

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