
学生や社会人を対象とした市民講座「第10期丸の内プラチナ大学」が9月4日、丸の内のコミュニティスペース「3×3Lab Future」(千代田区大手町)で開講した。主催はエコッツェリア協会。
同講座は、2015(平成27)年のプレ開講を経て2016(平成28)年に第1期を開講。これまで、世代や職業を問わず延べ2000人を超える受講者が参加し、課題解決力や新規事業創出につながる学びの場を提供してきた。
今年は、昨年開講した「物語思考デザインコース」を含む全9コースを用意。地方創生、農業、観光、アート、起業、ソーシャルビジネス、再生可能エネルギー、ウェルビーイングなど多様な分野で構成。座学に加えて地方や農園、美術館などでのフィールドワークも行い、講義と実地体験を組み合わせたプログラムとなっている。
「逆参勤交代コース」では、長崎県壱岐市、石川県七尾市、北海道上士幌町を対象に、自治体首長や地域のキーパーソンから地域の魅力や課題を学ぶ。懇親会では特産品や地酒を味わい、オプションで2泊3日の「トライアル逆参勤交代」に参加することで、地域課題の発見や活性化策の提案に取り組む。
「アグリ・フードビジネスコース」では、群馬県太田市、茨城県常陸大宮市、千葉県香取市を題材に、生産者や食関連事業者を招き、都市と地域を食と農でつなぐ試みを学ぶ。オプションのフィールドワークを通じて6次産業化や都市農村連携を体験的に理解する。
このほか、観光や芸術を通じた学びを深める「繋(つな)がる観光創造コース」「アートフルライフコース」、人生100年時代を見据えた「ライフシフト起業コース」や「ウェルビーイングライフデザインコース」、再生可能エネルギーやソーシャルシフトをテーマにしたコースなどを設ける。
これまで同講座では、2拠点生活を始めた人や、地域生産者の販路開拓に携わるビジネスマン、実際に起業に挑戦する人などを輩出してきた。講師やゲスト、受講生同士、フィールドワーク先の関係者らとの交流も盛んで、学びの場にとどまらずコミュニティー創出の拠点となっている。
同講座副学長でエコッツェリア協会コミュニティ研究所長の田口真司さんは「参加者は10代から70代まで幅広い。世代や価値観を超えた交流は人生を豊かにし、共通のテーマを持つ仲間同士のコミュニティーづくりにつながる」と話す。「準備期間を含めて12年が経過した。今後は参加者自身が関心のあるテーマを深掘りし、派生的なプログラムやアクションの誕生にも期待している。まだ参加人数に余裕のある講座もあり、スポット受講も受け付けているので気軽に参加してほしい」と呼びかける。
受講者の一人で、渋谷でウェルビーイングコミュニティを運営する水谷圭さんは「講師の前野マドカさんの紹介で『ウェルビーイングライフデザインコース』を選択した。ほかにも興味のある講座があり検討中だが、多彩な内容があり選び切れない」と笑顔を見せる。
講義は9月4日のキックオフイベントに続き、翌週以降各コースで2026年3月まで随時開催する。受講料は2万2,000円からで、講義回数や内容はコースごとに異なる。