マンダリンオリエンタル東京(中央区日本橋室町2)で7月19日、一般公募によるモデルが出演する着物ショーイベント「夏のきものパーティー」が開催された。主催は、高級着物のインターネットショップを運営する「きもの人(びと)」(日本橋蛎殻町1)。
秘書として活躍してきた元OLの伊藤康子さんが10年前に立ち上げた同社。着物を販売していく中で、伊藤さんは各自の個性を踏まえた「本当に似合う着物選び」を提案していくためには、新しい着物を販売するだけではなく、既に持っている着物を生かすことや、長期的な視点でのアドバイスが必要と感じ、販売とは切り離した「きものライフコンサルティング」を始めた。同イベントは、「着物が好きでもなかなか着る機会がない」という声を受け、「もっと着物を楽しめる場を提供したい」と2年前から開催しているもの。
イベント当日は、家族で参加した2組を含め、全国から一般公募により集まった26人がモデルとして出演。事前に、ロンドンコレクションなどで活躍するファッションモデル斉藤美和さんから、歩くスピードや顔の表情、手の動かし方など、着物姿をより美しく見せるための指導を直接受けた。
「着物を着て写真を撮られるときには、足の向き、手の位置など、ちょっとしたテクニックで見え方が全然違う。中でも、男女ともに姿勢には気をつけてもらいたい。着物を着るだけでピシッとするものだが、油断すると猫背になりがち。後ろ姿を意識して粋に着こなしてほしい」と斉藤さん。本番では、指導を受けた出演者が、自前の振り袖や訪問着、はかま姿で会場中央を堂々とウオーキングした。
参加者からは、「最初は緊張したが楽しかった」「せっかくの機会、あともう一往復したいくらい」「ちゃんとカメラマンが撮影してくれるので、見るのが楽しみ」などひとときのモデル体験を楽しむ声や、「もともと着物好きだったが、自分の給料で初めて買った着物を着る場所を探していた。今回初めて着ることができた」「祖母から母、娘へと代々引き継がれている訪問着に、新しい小物を合わせてみた」など、着物を着る機会を喜ぶ声などが寄せられた。