見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

日本橋本町の築50年ビルでアートイベント-空き物件の内覧会兼ねる

福島美術館で展示された様子。(昨年8月~9月)

福島美術館で展示された様子。(昨年8月~9月)

  • 0

  •  

 日本橋本町にある築50年のオフィスビル「日本橋小楼」(中央区日本橋本町3)の401号室で2月24日・25日、こいのぼりを制作するワークショップ「Koi 鯉(こい) アート のぼりプロジェクト」が開催される。

ドイツのアーティストから届いた鯉のぼり

[広告]

 会場となる同所はテナント募集中の空き賃貸物件で、同イベントは物件の内覧会を兼ねる。今年1月、映像作家・町野三佐紀さんによる空室の壁一面に水面を映し出すインスタレーションを展示し好評だったことから、2回目の開催が決まった。

 発案者は同物件の不動産仲介会社「バリューレイズ」(港区)の山田武男さん。「都内で空洞化が進むビンテージビルの良さを生かしたい」と、同ビル5階で営業する「SATOSHI KOYAMA GALLERY」とのコラボ企画を立ち上げた。「リノベーション物件の再生手法提案」と「若手作家育成」という両者の狙いが合致した結果だ。今後、都内の他の物件でも開催を予定するという。

 今回のワークショップは、福島大学の学生の呼び掛けで始まったプロジェクトの一環。震災後、同大学の体育館に避難していた子どもたちと大学生が共同でこいのぼりを作ったことをきっかけに広がり、昨年、国内15カ所でワークショップが開かれた。ヤノベケンジさんや奈良美智さんら有名アーティストも参加したという。今回のワークショップには国内外のアーティスト活動を支援する団体「TAIKO & ASSOCIATES」の所属イラストレーターやグラフィックデザイナーなど約18人が参加する。

「こいのぼりは江戸初期から描かれてきた最も古い図柄の一つ。子どもたちの立身出世、成功祈願の意味が込められている」と、こいのぼり制作を指導する福島大学准教授の渡辺晃一さん。「コイが龍となるように、明日に向かって昇るエネルギーを、子どもたちと一緒に育くんでいく象徴的な意味合いも持つ。余震や放射能という、目に見えないものの影響や不安な気持ちを、美術という目に見えるものの力で勇気づけ、支援していきたい」と期待を込める。

 開催時間は両日13時~18時。参加費は800円。事前予約制。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース