人形町で8月2日、毎年恒例の「人形町せともの市」が始まった。主催は人形町商店街。
人形町・蛎殻町・浜町一帯は、江戸時代の生活物資の集積地として栄え、かつては陶磁器問屋60軒が軒を連ね、昭和初期までは関東の陶磁器市場の9割を賄う規模だったという。戦後、問屋の数は減ったものの、1954(昭和29)年には第1回「せともの市」が開催され、この地で年に一度の在庫処分市が行われるようになった。今年で57回目を迎える。
水天宮から人形町交差点に至る新大橋通りの両歩道350メートルにわたり、陶磁器などを販売するテント約35張りが立ち並び、夜までにぎわいをみせる。例年3日間で30万人以上の人出がある。
最近では、販売される商品は陶磁器に限らず、クリスタルや江戸切子などガラス、漆器、金属などの食器類全般、台所用品など幅広い。百貨店などで売られていた高級品の半端もの、見切り品、処分品などを中心に、市価の3~5割引で販売する。値引き交渉も同市の楽しみの一つ。
初日の2日には、16時から人形町時計台下で「陶彦大神」例祭が行われ、瀬戸物の割れたかけらを供養する。期間中、人形町大観音寺で「ろくろ体験教室」も行う。美濃焼き産地の岐阜県土岐市の窯元の指導の下、誰でも陶器作りが体験できる。作った器は後日自宅へ郵送される。参加費は1,000円(送料込み)。
開催時間は9時~21時。今月4日まで。