日本橋駅近くのカフェ「エスプレッサメンテ イリー 日本橋中央通り店」(中央区日本橋2、TEL 03-3510-6580)の壁に現在、浮世絵のデジタルパネルが展示されている。経営はプロントコーポレーション(港区)。
同店は、イタリアの老舗コーヒーブランド「イリー」のオフィシャルショップ。アジア最大の店舗面積を持つ同店を「日本とイタリアの文化を融合した空間にしたい」と、ボストン美術館が保有する「スポルティング・コレクション」の中から浮世絵3点の使用権を期間限定でレンタルし、横幅18メートルのパネルを設置した。こげ茶色のフローリングに赤いテーブルとソファを配置するイタリアモダンの内装に、同パネルはインテリアの一部としてマッチさせる。
「コーヒーと浮世絵は一見共通点がない組み合わせ。しかし、エスプレッソをさっと飲んで立ち去るイタリアの『バール』と、江戸時代に始まる日本の『立ち食いスタイル』は似た文化」と同社イリー事業部の中川直也さん。
安藤広重作「東海道五十三次 日本橋朝之景」、葛飾北斎作「富獄三十六景 神奈川沖浪裏」、喜多川歌麿作「歌撰恋之部 物思恋」を展示。現物の約1000倍に拡大し、和紙と水彩絵の具で鮮明に再現した。浮世絵をこれほどに拡大した展示は例がなく、「ギネスへの申請も検討中」だという。
「百貨店の買い物客や海外からの観光客、仕事帰りのビジネスパーソンなど、さまざまな人が来店するが、浮世絵が見える席を選んで座ったり、写真を撮ったりする方も多い」と中川さん。
営業時間は7時~22時30分(日曜・祝日は21時まで)。