京橋の江戸ぼうきの老舗「白木屋傳兵衛(でんべえ)」(中央区京橋3、TEL 03-3563-1771)に「江戸ほうき展示館」がオープンして2カ月がたった。
同社は1830年に創業。イネ科の一年草「ホウキモロコシ」で作る座敷ほうきを「江戸ほうき」と名付け、江戸後期から製作している。同館では、同社製の江戸ほうきをはじめとした座敷ほうきや、やわらかい当たり口の「シュロほうき」、傘のような持ち手が付いた「かけぼうき」の実物やミニチュアの型見本など計27点展示する。展示面積は2.7平方メートル。
型見本は3分の1の大きさで忠実に再現。同社職人頭の高木清一さんが12年前に製作した。現物以上に高度な技術と緻密な作業を要するため、高木さんが75歳を迎えた現在では、再び作ることは難しいという。「職人が見れば作れるように設計図としての意味もある」と同社の中村悟社長。
オープン以来、修学旅行生や買い物客を中心に600人ほどが来館した。「ほうきは、音が静かで、ほこりをまき上げることもなく環境負荷も少ない優れた清掃道具。むしろ若い人のライフスタイルや価値観に合っていると見直されてきている」と中村社長。同館では、材料や編み方の違いを実際に見比べながら説明を受けることができ、「文化的背景から材料、作り方、使い方、効果など、ほうきの魅力と価値を伝えていければ」とも。
開館時間は10時~19時。日曜・祝日休館。入館無料。