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日本橋「食べるラー油」戦争、参戦者相次ぐ-元祖から老舗コラボまで

日本橋は、ラー油戦争ならぬラー油天国?

日本橋は、ラー油戦争ならぬラー油天国?

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 昨年8月に「辛そうで辛くない少し辛いラー油」(参考価格=400円)を市場に投入し、一大ブームを巻き起こした桃屋(中央区日本橋蛎殻町2)の本社がある日本橋エリアで、「食べるラー油」を販売する店が相次いでいる。

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 7カ月後に追随したのがエスビー食品(日本橋兜町)の「ぶっかけ!おかずラー油」(同=346円)。品薄状態が続く桃屋の商品に対し、香港風やパスタソース、カレーなどの派生商品を投入し、売り場の棚を広げている。今年7月には、老舗佃煮店「日本橋鮒佐」(日本橋室町1)が人形町の「志乃多寿司総本店」(日本橋人形町2)と共同開発した「九州産うなぎ具沢山ラー油和え」(735円)を数量限定で販売し、マスコミなどで話題に。同じく8月、ロイヤルパークホテル(日本橋蛎殻町2)の中国料理レストラン「桂花苑」が「食べる辣油」(735円)を販売開始。そのほか、「日本橋焼餃子」(日本橋室町1)や今年6月にオープンしたばかりの「麺や栄龍」(日本橋人形町1)など、老舗から大手ホテル、新店までが参入する、いわば「戦争」状態に。

 発端となった桃屋の「食べるラー油」誕生のヒントはどこにあったのか。桃屋営業企画室長の菅原通之さんは「市場分析などは何もしていない。84歳の社長が以前にどこかで似たようなものを食べたことがあり、ひらめきで開発した」と振り返る。同社の小出孝之社長は、現在では一般に普及した中華食材のメンマやザーサイを日本で初めて瓶詰めで販売しロングセラーに育てた実績を持つアイデアマン。今回の商品に「辛そうで辛くない少し辛いラー油」とネーミングしたのも、小出さんの「ひらめき」によるものだという。

 同商品のブレークのきっかけは諸説あるが、新発売時、主婦向け雑誌「マート」(光文社)の読者を対象に試食会を開き、その感想がブログなどを通じて広がっていた状況で、昨年10月にテレビCMを放送したところ一気に品切れ状態に。それをテレビなどで報道されたことで拍車がかかり、売り上げが10倍に急増したという。ヒットの理由について、菅原さんは「食べ方をお客さま自ら考えてみたくなる、イマジネーションが広がる商品なのが受けているのでは」と分析する。

 人形町では、桃屋の商品の元になったのではと、うわさされている「食べるラー油」を販売する中華料理店がある。桃屋本社から徒歩10分ほどの場所に位置する「アジア料理 菜心」(日本橋人形町2)がそれだ。「食べるラー油」ブーム以前から、フライドガーリックをラー油に漬け込んだ商品を各テーブルに付け合わせとして置き、店頭での販売も行っている。価格は600円。同店スタッフによれば、同商品は同店が考案したオリジナルで、約10年前から提供しているという。

 日本橋発の「食べるラー油」商品の行方に注目が集まる。

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