東京駅を100年間支え続けた鉄柱が6月28日、同駅の5・6番線にモニュメントとして登場した。
京浜東北線と山手線が乗り入れる5・6番線は1914年(大正3年)の東京駅開業時、第二乗降場として設置された。戦災の影響などで屋根の大部分は失われたが、14本の鉄柱を含む一部は現在まで、開業当時の姿のまま使われてきた。
今年2月、屋根の建て替え工事に伴い、老朽化した14本の鉄柱は構造体から撤去されたが、うち2本を今回、開業当時の姿を後世に伝えるためのモニュメントとして永久保存することにした。
有楽町寄りのホーム端に立てられたモニュメントの高さは約3メートル。上部には時代を感じさせるレリーフ装飾を施し、下部には工事が始まった「明治41年□月 株式会社東京□□□□□製造」の文字が確認できる。(□は判読不能)
同駅を通勤に使っているという初老のサラリーマン男性は「今まで気付かなかったが、黙って屋根を支えてきた姿に親しみを感じる」と、関東大震災や戦災をくぐり抜けてきた鋳鉄製の円柱をなでながら見上げていた。