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日本橋三越で「今右衛門×柿右衛門」展 有田焼400年の歴史を一堂に

オープニングには14代目今右衛門さんと15代柿右衛門さんが駆け付けテープカットを行なった

オープニングには14代目今右衛門さんと15代柿右衛門さんが駆け付けテープカットを行なった

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 日本橋三越本店(中央区日本橋室町1)の新館7階ギャラリーで12月26日、「十三代今右衛門×十四代柿右衛門展」が始まった。主催は朝日新聞社と西日本新聞社。

会場には作品のほか、個人所蔵の美術コレクションや趣味の釣りざお、絵付けの下絵などを陳列

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 有田焼創業400年を記念して企画された同展。江戸時代から独自の方向で有田焼をけん引してきた「今泉今衛門窯」と「柿右衛門窯」に光を当て、両窯の重要無形文化財保持者で、ともに日本の磁器の歴史を築いてきた13代今右衛門さんと14代柿右衛門さんの作品を中心に、歴史を振り返りながら現代・未来の有田の色絵磁器の世界を展覧する。

 1616年、日本で最初の磁器として創始された有田焼は、国内外で高く評価され、17世紀後半にはヨーロッパにも輸出された。日本で初の赤絵付けの技法を開発し海外輸出を契機に様式を確立しマイセンの磁器にも影響を与えたという「柿右衛門窯」と、17世紀以降、鍋島藩直営の窯で鍋島焼の技法と伝統を継承し、「吹墨」「薄墨」「吹重ね(吹墨と薄墨を重ね合わせた新技法)」などの技術を色鍋島に確立させ伝統に新風を吹き込む「今泉今右衛門窯」。

 会場には、400年前の有田焼創業当初の作品や両氏の襲名前後の作品のほか、故人が所蔵していた美術コレクションや趣味の釣りざお、絵付けの下絵など多岐にわたる陳列で、有田焼400年の歴史と2人の人間国宝の制作の軌跡を時系列に展示する。

 26日に行われたオープニングイベントには両窯の現当主、14代目今右衛門さんと15代柿右衛門さんが駆け付けテープカットを行った。14代目今右衛門さんは「有田は『窯差』のある町。有田焼は100窯100様といわれ、それぞれの窯が独自の作風で制作を続けている。互いに違いを認め合い幅が広い様式を作り出してきたから400年続いてきたのでは」と語った。15代柿右衛門さんは「父の作品も含め、有田焼を年代別に一堂に見る機会はなかなか少なく、陶芸家として良い勉強になる」と話した。

 開催時間は10時~18時30分(12月31日は17時30分、最終日は17時まで)。入場料は一般・大学生=800円、中・高校生=600円、小学生以下無料。1月11日まで。

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