日本橋三越本店(中央区日本橋1、TEL 03-3241-3311)新館7階ギャラリーで2月17日、「~世界を驚かせた焼物~真葛香山展」が始まった。
明治時代、日本の陶磁器界を先導し欧米の焼き物にも影響を与えたという真葛窯。国内外の博覧会で数々の名誉を獲得し「真葛焼」=「マクズウエア」として世界中で愛されたという。京都で代々焼物を作陶してきた宮川虎之助(後の初代真葛香山) が1870(明治3)年に窯を横浜へ移して陶作。1876(明治9)年、フィラデルフィア万博での受賞を機に、展覧会への積極的な出品や、加飾の高い技術、上薬の研究開発などの努力が評価され、初代真葛香山は宮内庁から帝室技芸員に選ばれた。四代にわたり隆盛を極めた同窯だが、1945(昭和20)年の横浜空襲で命脈を絶たれ、真葛焼は終焉した。国内で現存する作品が極めて少ないため、「幻の焼物」とも呼ばれている。
同展では、この真葛香山の作品を長年にわたり収集し多数のコレクションを所有する吉兆庵美術館より、超絶技巧が光る高浮彫りの作品をはじめ、繊細な絵付けや透かし彫りに圧倒される香炉、ユーモアにあふれた青磁の造形など118点を展示する。
開催時間は10時~18時30分 入場料は、一般・大学生=800円、中・高校生=600円、小学生以下無料。今月29日まで。