金箔専門店「箔座」(石川県金沢市)は10月28日、コレド室町(中央区日本橋室町2)に「箔座日本橋」(TEL 03-3273-8941)をオープンした。
昭和初期に金沢に創業した金箔の製造販売「高岡製箔」をバックグラウンドとする同社。現代では、金箔を食・コスメ・アクセサリー・器インテリアなど幅広い分野に施した商品を製造販売する。金沢市内に4店舗を展開しており、今回が初の東京出店となった。
日本橋は1696年、江戸幕府が金銀箔類の管理を行う統制機関「箔座」を設けた土地。同社社名の由来でもある。明治期に「箔座」は「金座」に引き継がれ、現在「金座」跡地には日本銀行本店が立つ。こうした歴史的経緯を踏まえ、東京進出の拠点として同所を選んだという。
店舗面積は約54坪。店内には、内外壁に金箔約1万6,000枚を使った小部屋状のスペース「黄金の天空」をシンボルとして配置し、内部から一面黄金の空間を体験できる。地元金沢の「加賀棒茶」と和菓子を楽しめる喫茶スペースや、金箔ボディーアートの施術スペースも設置した。
同店では、日本橋の老舗と組んだ限定商品「日本橋コラボレーションシリーズ」を展開。和菓子の老舗「榮太樓總本鋪」とは、伝統の一寸金つばと小判に見立てて金箔をあしらった金つばを組み合わせた「一寸金鍔・小判金鍔」(6個入り、1,260円)、かつお節の老舗「にんべん」とは、「金仕立 お吸い物セット」(エビ3個、カニ3個、2,100円)を開発。パティシエ須波宏晋さんとコラボしたフィナンシェ「FINANCIER OR」(5個入り=1,890円、10個入り=3,780円)や、成城風月堂とコラボしたピールチョコ「PELEZ AU CHOCOLAT」(10本、2,310円)などのスイーツも取りそろえる。同社広報ディレクターの四十万谷昌代さんは「コラボする相手企業の自由な発想にお任せしたケースもあり、新たな金箔の使い道を探った」と話す。
そのほか、「オンブライトアイシャドウ『金衣』・『銀衣』」(3.5グラム、各2,310円)をはじめとする「茶屋コスメ」シリーズ、肌にのせてなじませる「美容金箔」などのオリジナル化粧品も販売する。
「伝統が今なお息づく日本橋の地で、いかに『箔』を表現できるか。伝統が培ってきた箔を今に生きるスタイルでお届けしてこそ、その魅力を伝えることができる」と同社専務の高岡美奈さん。「箔本来の力強さと美しさを皆さんに伝えたい」と意気込みをみせる。
営業時間は10時~20時。オープン記念として今月14日まで、5,250円以上の購入客に「金箔ボディーアート」の体験チケットを配布する。