茅場町の東京証券会館(中央区日本橋茅場町1)1階に3月31日、証券街と金融に親しむカフェ「CAFE SALVADOR BUSINESS SALON(カフェ サルバドル ビジネスサロン)」(TEL 03-5623-3105)がオープンする。事業主体は、東京証券取引所や周辺のビルを保有管理する平和不動産(日本橋兜町1)と飲食店「WIRED CAFE」を手掛けるカフェ・カンパニー(渋谷区)。
かつて丸の内仲通りに「CAFE SALVADOR」を出店し、地域イベントへの会場提供や丸の内朝大学とのコラボレーションなどで「まちぐるみのコミュニティー」づくりに関わってきたカフェ・カンパニー。入居ビルの解体のため同店は約2年半で閉店したが、今回はその経験を生かし、証券街のビジネスニーズに特化した店舗として新業態を展開する。店舗面積は約390平方メートル。店内はカフェスペース(室内席28席、テラス席24席)と、時間料金制のビジネスサロン(108席)の2エリアに分かれる。
カフェはセルフスタイルで、厳選した完熟豆使用のコーヒー(380円~)や、グルメサンドイッチ=750円~、オリジナルカレー=950円~、タパス=400円~など、手軽ながらも素材にこだわったフードメニューを提供。テークアウトにも対応する。サロンには、金融関連ビジネス書籍を中心に充実させたライブラリーコーナーを設け、ソファ席、電源、高速Wi-Fiなどを完備。時間貸席の利用料金(フリードリンク制)は、1時間=600円で予約可能。
平日はビジネスマンやOL、休日は人形町や新川など近隣の住民をメインターゲットとする。東証を訪れる観光客が証券街を回遊する中継点としての需要も見込む。
兜町は日本の証券取引(株式市場)の中心地として発展してきたが、1999年の株式売買立会場閉鎖を境に昼間人口は減少の一途をたどり、街のにぎわいが失われていった。こうした中で平和不動産は2011年に「日本橋兜町再活性化プロジェクト」を始動。「金融人材や資産運用を中心とした金融ベンチャー企業を育成する拠点をつくる」というコンセプトの下、2020年をめどに再開発を進めている。
同地区を「新しい金融サービスが生まれるまち」としてブランド化し盛り上げていくことも事業の一環で、一般客が気軽に立ち寄って資産運用などに親しみ、金融関係者と交流することができる場づくりとして、今回同カフェを出店したという。
さらに「起業家と投資家が出会い、新たなビジネス創出の契機となる場」や、「金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックの起業家が集まる拠点」としての役割も担う。平和不動産 街づくり推進室主任の髙橋悦郎さんは「金融関係者のコミュニティーをつくるだけではなく、地元で働く人同士がネットワークを築くような、『この街で働いていてよかった』とか『街が最近楽しくなった』と思ってもらえる活動を進めていきたい」と意気込む。
営業時間は、平日=7時~22時、土曜・日曜・祝日=9時~20時。