日本橋川に架かる「日本橋」南詰の「日本橋船着場」(中央区日本橋1)の利用者数が3月30日、30万人を突破した。
双十郎河岸30万人目の利用者を乗せて出航する神田川クルーズ船
東京を巡る水辺観光の拠点として2011年に完成し、4月3日に5周年を迎える同船着き場。全面積に対して水域比率が18.3%を占める中央区が水辺空間の整備と活用を意図して、台東区、江東区、墨田区などとも連携し、かつて舟運都市として栄えた江戸の姿を現代によみがえらせることを目指して設置した。
全長20メートル、幅6メートルの浮桟橋型で固定する柱上部は、木製だったころの「日本橋」の欄干を参考にデザインしたもの。隣接する「滝の広場」の石造りの欄干と鋳物の門扉は日本橋の4つのロータリークラブがデザインし区に寄贈した。完成年に歌舞伎役者の坂田藤十郎さんと市川團十郎さんの東西2人の名優が船乗り込みを行ったことから「双十郎河岸」の愛称で親しまれている。
現在は年間を通じて、水上バス「カワセミ」(TEL 03-5608-8869 )をはじめ、「東京湾クルージング」 (TEL 03-5679-7311)運営の「日本橋クルーズ」(45分コース、大人1,500円・小人800円)、「神田川クルーズ」(90分、大人2,500円・小人1,500円)など、複数の団体が乗り合い・貸し切り・企画ものなど、それぞれ特徴のあるクルージングを提供している。予約無しでも気軽に乗れることから利用客数を伸ばし、5周年を待たずして利用者が30万人を超えた。
30万人目の「幸運の鐘」を鳴らしたのは、春休みを利用して福島県相馬市から母親と2人で上京した光岡麻衣さん(10)。この日は江東区に住む祖母と3人で16時30分出航の「神田川クルーズ」に並んでいたという。麻衣さん家族には名橋「日本橋」保存会の中村胤夫会長より記念品が渡された。日本橋は初めてという麻衣さんは突然の鐘の音に少し驚いた様子だったが、記念品を受け取るとかわいい笑顔を見せていた。