コレド室町(中央区日本橋室町1)5階の日本橋三井ホールで10月28日から3日間、「きものコレクション ファッションショー」が行われた。
日本橋の東京織物卸商業組合をはじめ全国の着物産地組合やメーカー、小売店などによるイベント企画「きものサローネ in 日本橋2016」の一環で、全国の学生からプロの染色作家まで国内外で活躍するきものクリエーターの作品が一堂に会した。
28日は「学生きものコンテスト2016」が行われ、「いとをかし」「傾(かふ?)く」「Hello KIMONO」の3テーマの応募作品の中から1次予選を勝ち抜いた各作品が登場。優秀賞は最終選考に残った13点の中から文化学園大学服装学部の平石彩さんの作品が選ばれた。29日には「TOKYO KIMONO COLLECTION」と題して、京都の染織ブランド「室華風」をはじめ、インクジェットプリントによる斬新なデザインの新ブランド「和音」や染織作家で音楽活動も続ける青野保夫さんによる「ローケツ染め」、3代続く染色界のイノベーター家系JOTARO SAITOさんによる最新キモノモードなど、さまざまなアーティストによるファッションショーが行われ、駆け付けた和装ファンを魅了した。
30日は日本の伝統染色や織り技術を生かし世界196カ国の歴史や文化を表現する試み「IMAGINE ONEWORLD KIMONO PROJECT」の一環として、50カ国を超えるKINMONOをまとったモデルたちが手をつなぎ世界に平和共存のメッセージを伝えるきものイベント「IMAGINE ONEWORLD」が行われた。
イベントは全て京都の「あづまや呉服店」の柴川義英店長の手でユーストリームとニコニコ動画で同時配信。「これだけのアーティストや作品が一堂に会する機会はめったに無い。来場できなかった着物ファンの方もPCやスマートフォンでライブが楽しめた」と柴川さん。「作家の了解の取れたシーンはユーチューブにもアップするので何度でも観見てほしいと話す。
同イベント実行委員長の天野豊さんは「ライブ配信は今回が初めての試み。着物業界は中小企業が多く財務的に余裕のないところが多いので、無料で利用できるIT技術を活用して情報発信をしていくことは大切」と話す。「今年で5回目となる『きものサローネ』だが、柴川さんのような若い世代が積極的に活動してくれるのでこれからが楽しみ」と期待を寄せる。