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丸の内KITTEで「富山のくすりフェア」 家庭配置薬文化をアピール

懐かしいデザインの家庭用配置薬の薬袋

懐かしいデザインの家庭用配置薬の薬袋

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 商業施設「KITTE(キッテ)」(千代田区丸の内2)地下1階「東京シティアイ」で3月9日、「薬都富山」をアピールするイベント「薬食健美 富山のくすりフェア」が始まった。主催は富山薬業連合会や東京都配置薬業組合で構成する同フェア実行委員会。

家庭配置薬のメリットをアピール

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 会場には、ユニークなパッケージの富山の配置薬や薬都富山の歴史資料を展示。ほかに栄養ドリンク試飲や無料の手作り「匂い袋」体験、「かんたん健康チェック」、抽選会などのコーナーを用意する。

 「富山の薬売り」で知られる同県。豊かな水資源と低廉な電力を活用し、重化学工業が発展するなど日本海側でも屈指の工業集積県だが、特に医薬品製造業は重要な基幹産業となっており、医薬品生産金額は全国2位、人口当たりの医薬品生産金額、製造所数と従業者数はいずれも全国1位で、薬業県としての地位を誇る。

 1690(元禄3)年、富山藩2代藩主・前田正甫(まさとし)公が、江戸城内で激しい腹痛に見舞われた大名に、携帯していた妙薬「反魂丹(はんごんたん)」を与えたところ、たちまち痛みは治まり同席していた大名たちがその効き目に驚き自国での販売を求めたというのが同県の製薬業発展の始まり。正甫公は「殖産興業」の一環で当時異例だった「領外勝手」の触れを出し、全国各地へ出向き、薬の行商販売を行うことを推奨。全国に広がる「富山の配置薬」発展の基礎を築いた。

 約300年続く家庭配置薬システムだが、最近ではドラッグチェーンやコンビニの勢いに押され、また共働き世帯も増えて訪問の機会が思うように取れず、設置先の数は往時の3分の一に激減しているという。「信頼と信用をもとにした置き薬の『先用後利』という独自の販売手法は、正直で律義な日本人ならではのもの」と東京都医薬品配置協会の小川孝一副会長。「タイやミャンマー、ラオスなどアジア各国でも導入が進められている。国内での配置先は減っているが、お客さまのニーズに応えて改革すべきところは改革し、挽回していきたい」と話す。

 開催時間は10時~19時(最終日は18時まで)。今月11日まで。

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