日本橋タワー27階のサイボウズ東京オフィス(中央区日本橋2)で3月11日、「第2回 四国西予ジオパーク ミュージックコンテスト・動画コンテスト」の表彰式が行われた。主催は西予市。
2004年に愛媛県の明浜・宇和・野村・城川・三瓶の5町が合併して発足した同市。海抜0メートルから1400メートルまで海・里・山の変化に富んだ自然と、歴史的建造物や古墳群、民俗芸能など多くの文化遺産に恵まれた風土は、国内43のジオパークの一つ「四国西予ジオパーク」として日本ジオパーク委員会から認定を受けている。「ジオパーク」は「地球・大地(Geo)」と「公園(Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所を指す。
西予市では、2015年に同パーク内にある20の見どころ(ジオサイトなど)をイメージした楽曲を全国から募集。審査委員長にRPG「ファイナルファンタジー」シリーズの楽曲を手掛けた植松伸夫さんを迎え、入賞した全120曲が聴けるiPodと高性能ヘッドホンを貸し出し、同地を訪れた人々に提供してきた。
「コンテストは若手職員らの提案からスタートした。手作りの企画だが1600を超える応募を頂き、老若男女多くの人に西予市のことを知ってもらう良い機会になった。もちろん来年度も事業展開するための予算化をしている」と同市の管家一夫市長。「風景にマッチした音楽に言葉の説明はいらない。入選の120曲はホームページで公開しているので、楽曲を聞いて西予ジオパークに興味を持っていただき、一人でも多くの方に西予市に足を運んでもらえれば」と話す。
今回の応募総数は1660件。その中から120曲が採用となった。ミュージック部門の最優秀賞は、特別審査員賞も獲得した船橋市のharry f aokiさんこと張替政彦さんの、野村シルク博物館をテーマにした楽曲「おしらさま」が受賞。張替さんは「昨年に引き続き受賞できてありがたい。西予市にはまだ行っていないので今年こそ訪問して、さらにいい曲を作りたい。こうなったら来年も3連続受賞を狙う」と意気込む。
今年から新たに動画部門も新設し、両親ともに西予市出身で南予地域を舞台にした映画「海すずめ」監督の大森研一さんが審査委員長を務め、応募作27点の中から選考。「ジオパーク」をテーマに制作した木下隼人さんの「GEO PARK」が最優秀賞を獲得した。「生物多様性~ジオパーク西予市から」で準優秀賞を受賞した伊藤黎音さんは愛知県出身の16歳。今回の入賞者中最年少で動画制作は初めてだという。「自分のパソコンを持っていないのでスマホを中心に制作した。将来はクリエーティブ系に行くかIT系に行くかは未定」と話す。各動画作品はユーチューブで公開している。