三井記念美術館(中央区日本橋室町2、TEL 03-5777-8666)で4月15日、「奈良西大寺展 叡尊と一門の名宝」が始まった。
「国宝 金銅透彫舎利容器 鎌倉時代 奈良・西大寺」 画像提供:奈良国立博物館(撮影 佐々木香輔)
奈良時代に創建された官大寺を総称する「南都七大寺」の一つで、東大寺と並び称される総本山西大寺。本展は同寺院が2015年に創建1250年を迎えたことを記念し企画したもの。昨年新たに国宝に指定された「興正菩薩坐像(こうしょうぼさつざぞう)」を始め、国宝「金銅透彫舎利容器(こんどうすかしぼりしゃりようき)」や重要文化財「文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)」、「愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)」など彫像や絵画、工芸、古文書等、同寺院を中心に浄瑠璃寺や法華寺、極楽寺他一門寺院の寺宝約156点を展示する。
奈良時代後期、聖武天皇・光明皇后の娘・称徳天皇が開創した同寺院。鎌倉時代中期、叡尊(えいそん)上人が戒律を重視した真言律宗の教えを広め、荒廃した西大寺を再興するとともに、仏像の模刻や直径30センチ以上の大きな茶碗で茶を振る舞う伝統行事「大茶盛」を始めるなどし、西大寺独特の文化を築いた。
5月20日は東京大学名誉教授の五味文彦さんによる「鎌倉時代の奈良と大和国」と三井記念美術館館長・清水眞澄さんによる「鎌倉時代の奈良の仏像―運慶・快慶から善円(善慶)・善春へ―」と題した特別講演会を行う。5月3日と5月19日は、西大寺で毎年開催される「大茶盛式」を再現し、大茶盛を体験できる特別イベントを行う。以上、参加費は各2,000円(企画展鑑賞券1枚付き)
開館時間は10時~17時(5月6日は18時まで)。入館料は、一般=1,300円、大学・高校生=800円、中学生以下無料。展示期間は、前期=5月14日まで、後期=5月16日~6月11日まで。