日本橋三越本店(中央区日本橋1、TEL 03-3241-3311)1階中央ホールで4月26日、「三越劇場のあゆみ~90年そして未来へ~」が始まった。
「三越劇場は前座時代から通っている思い出深い場所」と菊之丞さん
1927(昭和2)年に世界初の百貨店の中にある劇場として誕生し、以来古典芸能や演劇、落語会、コンサートなど多彩な文化を発信してきた同劇場。関東大震災で大きな被害を受けた同店の再建にあたり「建物だけでなく文化的な復興も」という思いから設計されたという。場内は大理石仕上げと石こう彫刻の文様の周壁、ステンドグラスをはめ込んだ天井、プロセニアムアーチ(額縁)の舞台など重厚な装飾で彩られ、2016年には日本橋三越本店本館とともに国の重要文化財として指定された。
中央ホール会場には音や映像とともに楽しめる貴重な資料展示のほか、鏡に映った顔にくまどりが浮き出て、出演者気分が楽しめるミラーを備えた楽屋コーナーや、日本橋の老舗「榮太樓雪月花」カフェが期間限定で営業。ステージでは古典芸能、演劇、落語などの各ジャンルから三越劇場にゆかりのある劇団、俳優、落語家が登場する。
26日に行われたオープニングイベントには落語家の古今亭菊之丞さんなどがお祝いに駆け付けテープカットを行った。「三越劇場は前座時代から通っている思い出深い場所。先々代の志ん生、先代の圓菊師匠がお世話になり、自分の芸歴20周年記念公演も行った縁の深い劇場」と菊之丞さん。「30周年もぜひここでお願いしたい」と話していた。
28日18時と30日14時には劇場見学ミニツアーも行う(所要時間約40分、予約不要、無料)。
営業時間は10時30分~19時30分。観覧無料。5月2日まで。