日本橋の「人形町名花館」(中央区日本橋人形町1、TEL 03-3663-2454)で4月26日、「ハンカチーフ三千展~時代を映す四角い布~」が始まった。主催は繊維製品企画販売のブルーミング中西。
1879(明治12)年、ハンカチーフやステッキ、手袋、洋傘など欧米雑貨を輸入販売する中西儀兵衛商店として日本橋葺屋町(現在の人形町)に開業した同社。1886(明治19)年には営業品目をハンカチに絞り込み、創業以来138年にわたり製造販売を続け、日本のハンカチ市場をけん引してきた。ハンカチはもともと海外から輸入された文化だが、清潔好きな日本人の生活に浸透し、海外ではあまり使われなくなった現在も、日本人なら誰でも持っている日本特有の文化となった。
今回の展示会は昨年10月に落成した同社の本社ビル「人形町名花館」のお披露目を兼ねて同社2階ホールで開かれている。会場には3代目社長が欧米視察の折にデザイン資料として持ち帰ったベルギーレースなど希少なアンティークコレクションやスイス、フランスなどの現代でも通用するポップなデザインのハンカチを陳列。1980年代のライセンスブランドや現代のユーモアあふれる作品まで同社のコレクションや現行商品の中から厳選した3205枚を時系列に展示する。
最近では吸水性の高いハンドタオルに押され、ハンカチの市場は縮小気味だというが、同社では子ども向けの知育ハンカチ「ブルーミーズ」やボタンで留めてナプキン代わりになる「ボナペチーフ」、ユーモアあふれる「頑張るサラリーマンシリーズ」など、意匠やデザインにこだわった品ぞろえで売り上げの拡大を目指しているという。
「これだけの展示ができるのは、ハンカチ専門メーカーの当社ならでは。1枚の四角い布に描かれる世界は時代を映す鏡。さまざまなハンカチーフの世界を楽しんでほしい」と同社5代目社長の中西一さん。「8月には親子でハンカチ作りに挑戦するイベントも企画している。イベントや展示会でハンカチ好きの人を一人でも多く増やしたい」と意気込む。
開催時間は11時~18時。入場料は800円、中学生以下無料。5月5日まで。