日本橋各地でドラマ「新参者」シリーズ完結編の映画「祈りの幕が下りる時」の撮影が行われている。
同シリーズは俳優阿部寛さんが「日本橋署」で働く刑事・加賀恭一郎を演じるTBSドラマ「新参者」として2010年4月にスタート。2012年には初の映画化「麒麟の翼 劇場版・新参者」で累計興行収入16億8,000万円のヒットを記録した。撮影の舞台となった日本橋人形町のカフェや飲食店などを巡るツアーも企画され、多くの観光客が日本橋を訪れる契機となった。
原作は2014年に第48回吉川英治文学賞を受賞した作家東野圭吾さんの「加賀恭一郎シリーズ」10作目「祈りの幕が降りる時」。「新参者」シリーズとしては完結編となり、日本橋浜町の明治座や人形町を舞台に進行し、シリーズ最大の謎「加賀の母の失踪」の理由が明らかになるという。
レギュラーキャストの溝端淳平さん、田中麗奈さん、山崎努さんに加え、阿部さんとは初共演となる松嶋菜々子さんが物語の鍵を握る女優兼演出家、浅居博美を演じる。監督は映画「私は貝になりたい」やドラマ「下町ロケット」などを演出してきた福澤克雄さん。
撮影はすでに6月9日に始まっており、「阿部寛らしい背の高い俳優を見かけた」や「霊岸橋で阿部寛と田中玲奈が早朝ロケをしていた」など日本橋各所での目撃情報も寄せられている。クランクアップは7月25日を予定。日本橋地区では人形町や明治座などでボランティア・エキストラの募集も行われているいという。
最近、街でロケ風景を見かけたという人形町のカフェ「日本橋カフェスト」店長の勢力徹也さんは「映画の影響で来街者が増えるのは大歓迎。でもシリーズ完結で人形町での撮影が最後というのは少し寂しい気もする」と話していた。
「新参者シリーズはコンスタントに売れているが、特に原作の『祈りの幕が降りる時』は週に12,3冊は出ている」を文教堂書店人形町店の荒川安史店長。「街の人はロケの様子を見て発表前に映画化のことは知っていたようだが、26日に映画製作が正式に発表になったので更に売れ行きは伸びるのでは」と期待を寄せる。