三井記念美術館(中央区日本橋室町2、ハローダイヤル 03-5777-8666)で7月15日、特別展「地獄絵ワンダーランドランド展」が始まった。主催は三井記念美術館、NHK、NHKプロモーション。
仏教は、悪行をなせば六道(地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天)輪廻の悪循環から抜け出せず、現世よりもっとひどい苦界へ落ち、善行を行えば六道輪廻から抜け出し、苦悩のない安らかな世界へ往生するという独特の来世観を持つ。地獄絵は六道の中でも最も恐ろしい世界として絵画や彫刻、工芸などで描かれ、浄土宗の仏教美術として発展した。同展は「おそれ」と「あこがれ」の象徴としての地獄と極楽の美術を通して、日本人が抱いてきた死生観・来世観をたどる。
会場には、「重要文化財 六道絵 絹本着色 6幅」「熊野観心十界曼荼羅 紙本着色 1幅」など六道絵のほか、近世以降、民間で描かれた楽しい地獄絵「地獄極楽図」や漫画家水木しげるさんの絵本「水木少年とのんのんばあの 地獄めぐり」原画など約80点を展示する。
関連イベントとして7月29日、日本の宗教美術を「かわいい」という視点で捉え、その魅力やユニークさを紹介する美術史学者で跡見学園女子大学教授の矢島新さんによる土曜講座を開く。参加費は2,000円(無料鑑賞券1枚付き)で、同館受け付けかファクス(03-5255-5818)で申し込む。
開館時間は10時~17時。入館料は、一般=1,300円、大学・高校生=800円、中学生以下無料。展示期間は前期=8月6日まで、後期=8月8日~9月3日まで。月曜日は休館(7月17日と8月14日は開館、7月18日は休館)。