2011年を迎え、日本橋の下町の伝統を引き継ぐ一角では新年恒例の「日本橋七福神めぐり」が行われている。
福禄寿、弁才天、布袋尊、大国神、毘沙門天、寿老神、恵比寿神の「七福神」は室町時代末期ごろに始まった民間信仰。福の神の集まりとして、それぞれご利益があるとされており、正月に「七福神めぐり」をすると「七難即滅・七福即生」(7つの災難が消え去り、7つの福徳を授かる)という信仰が広まった。江戸時代、幕府が江戸市内に七福神をまつる神社・寺院を積極的に建てたことから盛んになり、現在も新年の風物詩となっている。
日本橋七福神は全国でも珍しく、寺はなくすべてが神社。パワースポットとして有名になった小網神社(中央区日本橋小網町)をはじめ、茶の木神社(日本橋人形町1)、水天宮(日本橋蛎殻町2)、松島神社(日本橋人形町2)、末廣神社(日本橋人形町2)、笠間稲荷神社(日本橋浜町2)、椙森(すぎのもり)神社(日本橋堀留町1)と寶田恵比壽(たからだえびす)神社(日本橋本町3)で構成される。弁財天が小網神社と水天宮、恵比寿神が椙森神社と寶田恵比寿神社にあり、8社9神巡りとなる。出発点や順番は特に決まっていないが、狭いエリアに集中して位置しているため、全部で約4.5キロ、約1時間程度の行程であることから「日本一短い七福神めぐり」とも言われている。
「『日本橋七福神』は、お参りされる方々に各社を巡ってもらい、もっと日本橋の歴史や街のことを知ってもらいたいと、昭和50年代に各神社の話し合いで始まった」と小網神社の服部匡記さん。
7日まで、8社の朱印を集めるための色紙(2,000円、各社朱印初穂料込み)と8社の神像を収集できる宝舟(1,600円、神像各300円は別売り)を販売。4日には「第26回日本橋七福神めぐり」が開催され、毎年6~7千人が参加し、三が日以上の参拝客でにぎわうという。主催は日本橋七福会(TEL 03-3668-1080)。