国際交流事業「東南アジア青年の船」に参加した各国代表の若者たちが10月30日、日本橋の街歩きを楽しんだ。
早稲田大学日本橋キャンパス「NEO」で被災地復興の現状を学ぶ
内閣府が主催し、若者の国際交流と友好を深める同事業。日本参加青年39人、アセアン各国を代表する参加青年約280人が乗船し、約50日間の共同生活を共にしながら諸国を訪問する。参加者の相互理解と友好促進に加え、日本の青年の国際的視野を広げようと取り組むもので、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイなどの学生や社会人が参加している。
「東南アジア青年の船」は1974(昭和49)年から続く取り組みで、日本橋訪問は昨年に続き2回目。各国訪問の旅の出航前研修として、山梨、新潟、福島など国内各地でホームステイして地域の文化を体験する。東京では課題別に8つのチームに分かれ、日本橋チームは37人が参加。歴史と伝統を守りながら新たな価値を生み出す、日本橋の街づくりへの取り組みなどを学んだ。
参加者たちは、コレド日本橋5階の早稲田大学日本橋キャンパス「NEO」で東日本大震災被災地の復興の実態を学習し、被災地と日本橋をつなぐカフェ「わたす日本橋」(日本橋1)で南三陸や東北の食材を使った昼食を楽しんだ。昼食後は中央通りを散策。「日本国道路元標」や2020年から首都高速撤去工事が始まる「日本橋」で記念写真を撮るなどしていた。
参加者の一人でフィリピンチーム代表のレ・マークさんは「初めての訪日で、新潟と東京を訪問した。それぞれ生活様式は違うが、温かいおもてなしの心は同じ。オープンマインドな歓迎に感激した。フィリピンでは建築関係の仕事をしているが、建築で一番学べるのが日本。特に日本橋の街づくりの考え方や歴史ある建物の再開発コンセプトが勉強になる」と話す。
マレーシア政府でスポーツによる若者の健康増進の仕事をしているというヒダヤさんは「山梨にホームステイしたが、マレーシアにはない季節感豊かな自然に感動した。富士山も見ることができた。ホームステイ先でごちそうになったお好み焼きとたこ焼きがおいしかった」と笑顔を見せていた。
日本の旅を終えた一行は11月2日に出航し、ブルネイ、フィリピン、タイ、ベトナムの順で各国を訪問する。