コンテンポラリーアートギャラリー「みうらじろうギャラリー」(中央区日本橋大伝馬町2、TEL 03-6661-7687)で2月22日、浮世絵展「浮世絵へのいざない」が始まった。
同ギャラリーが位置する日本橋大伝馬町は江戸初期、江戸城内と下町をつなぐ常盤橋から馬喰町を経て日光、奥州へ続く街道として発展した江戸一番の目抜き通り。沿道には大店が軒を連ね、いくつもの書店がある文化・流行の発信地として知られていた。
歌麿や写楽の浮世絵を始め、黄表紙や洒落本の版元として知られる蔦屋重三郎が、1783(天明3)年に書店「耕書堂」を構えたのも通油町(現日本橋大伝馬町)。周辺には浮世絵師や彫師、摺(すり)師なども多く住んでいたという。
「普段は現代アートギャラリーとして油絵や日本画、コンテンポラリーアートを多く扱っているが、今回は地元で江戸の町人文化を盛り上げていた版元『耕書堂』や『伊場仙』へのオマージュとして『浮世絵へのいざない』と題して浮世絵展を企画した」と同ギャラリーオーナーの三浦次郎さん。「大伝馬町という地縁に思いをはせながら浮世絵の魅力に触れてほしい」とも。
ギャラリー内では初代歌川豊国の「見立 七福神図」や、歌川広重の「江戸名所 大伝馬町大丸呉服店の図」、歌川国芳の「賢女烈婦伝坂額女」など、江戸中期から明治初期までの浮世絵師9人の作品24点を展示販売する。2月29日は講談師の神田香織さんによる大伝馬町を舞台にした講談「お竹如来」(15時~16時、入場無料、要予約)上演と作品解説を行う。
開催時間は12時~19時。月曜・火曜定休。入場無料。3月8日まで。